モネロがハードフォーク実施、手数料を爆下げした「バレット プルーフ」とは?
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モネロ(XMR)が10月18日のハードフォーク実施で、97%の取引手数料削減に成功した。なぜそんなことが可能なのか?今回のハードフォークによる変更点とともに、手数料爆下げを実現した「バレット プルーフ(Bulletproofs)」なる技術について簡単にご説明しよう。
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ハードフォークによる変更点
今回のハードフォークで大きくアップデートされたのは以下の4点だ。
1.バレット プルーフス採用によるトランザクションサイズの縮小
2.リングサイズ(リング署名における署名者の総数)が11人に
3.ASICマイニング防止目的で、PoWを「CryptoNight v8」にアップデート
4.最大トランザクションサイズがペナルティフリーブロックサイズの半分に
手数料爆下げを実現した「バレット プルーフ」
しかしなんといっても注目すべきは、手数料の爆下げだろう。97%削減という太っ腹ぶりはユーザーにとって嬉しすぎる。コイン・メトリックスのデータによると、ハードフォークの2日後には、それまで60セントだった手数料がたったの2セントになっている。
この大胆な値下げは、「バレット プルーフ」のおかげだ。スケーリング問題の解決策として、ビットコイン(BTC)がライトコイン・ネットワーク、イーサリアム(ETH)がシャーディングに期待をかけているように、モネロも今年8月からバレットプルーフを採用している。
バレットプルーフはスタンフォード大学コンピュータ科学学部セキュリティラボに属する、アプライド・クリプトグラフィー・グループ(ACG)やユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、米ブロックチェーン企業ブロックストリームの協力を得て提案したものだ。
XMR やZECのようなプライバシーを重視する仮想通貨は、「ゼロ知識証明(zero-knowledge proofs)」によって第3者による追跡を不可能にしている。取引が有効であることを証明する目的で「範囲証明(range Proofs)」が用いられるのだが、こいつが相当スペースを消費する。バレットプルーフはこうしたジレンマを解決するための「省スペース技術」なのだ。
トランザクションサイズを80%以上縮小
しかも結構なスペースを節約してくれるので、そのおかげで手数料が大幅にカットできる。
Bulletproofs shrinks the size of cryptographic proofs it uses, which in turns leads to an over 80% decrease in transaction size(CNN).
バレット プルーフは使用する暗号証明のサイズを縮小し、結果的にトランザクションサイズを80%以上減らすことができる(CNN)。
今後、ほかにもバレット プルーフや似たような技術を採用して、手数料を大幅に減らしてくれる仮想通貨がでてくることを祈ろう。
価格にはあまり影響なし?
「これで一気にモネロが盛り上がるのでは?」と思いきや、コインマーケットのデータをみる限り、今のところ派手な動きはないようだ。むしろ、ハードフォーク直前より価格も取引量も微妙に減っていて、10月31日の最高値は104.90ドル。ピークだった昨年12月と比べてしまうと70%も値下がりしているのだが、プライバシーを重視する仮想通貨ユーザー間では根強い人気を誇る。
「匿名性が高い=犯罪に悪用されやすい」という懸念はあるが、「10年後には4万ドルを超える」という、すさまじい予想もあり、地味に目が離せないコインのひとつだ。
匿名性と信頼性を高める「ゼロ知識証明」
1985年にマサチューセッツ工科大学の研究者グループによって発案された。2者間で交わされた情報が真実であることを、個人情報を公開せずに証明する手法のこと。例えば「AさんがBさんに提供した情報は本当です」と、BさんにAさんに関する情報を一切与えずに証明してくれる。
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