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モネロがハードフォーク実施、手数料を爆下げした「バレット プルーフ」とは?

2018/12/04

クリプトボーイ

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モネロ(XMR)が10月18日のハードフォーク実施で、97%の取引手数料削減に成功した。なぜそんなことが可能なのか?今回のハードフォークによる変更点とともに、手数料爆下げを実現した「バレット プルーフ(Bulletproofs)」なる技術について簡単にご説明しよう。

ハードフォークによる変更点

今回のハードフォークで大きくアップデートされたのは以下の4点だ。

1.バレット プルーフス採用によるトランザクションサイズの縮小
2.リングサイズ(リング署名における署名者の総数)が11人に
3.ASICマイニング防止目的で、PoWを「CryptoNight v8」にアップデート
4.最大トランザクションサイズがペナルティフリーブロックサイズの半分に

手数料爆下げを実現した「バレット プルーフ」

しかしなんといっても注目すべきは、手数料の爆下げだろう。97%削減という太っ腹ぶりはユーザーにとって嬉しすぎる。コイン・メトリックスのデータによると、ハードフォークの2日後には、それまで60セントだった手数料がたったの2セントになっている。

この大胆な値下げは、「バレット プルーフ」のおかげだ。スケーリング問題の解決策として、ビットコイン(BTC)がライトコイン・ネットワーク、イーサリアム(ETH)がシャーディングに期待をかけているように、モネロも今年8月からバレットプルーフを採用している。

バレットプルーフはスタンフォード大学コンピュータ科学学部セキュリティラボに属する、アプライド・クリプトグラフィー・グループ(ACG)やユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、米ブロックチェーン企業ブロックストリームの協力を得て提案したものだ。

XMR やZECのようなプライバシーを重視する仮想通貨は、「ゼロ知識証明(zero-knowledge proofs)」によって第3者による追跡を不可能にしている。取引が有効であることを証明する目的で「範囲証明(range Proofs)」が用いられるのだが、こいつが相当スペースを消費する。バレットプルーフはこうしたジレンマを解決するための「省スペース技術」なのだ。

トランザクションサイズを80%以上縮小

しかも結構なスペースを節約してくれるので、そのおかげで手数料が大幅にカットできる。

Bulletproofs shrinks the size of cryptographic proofs it uses, which in turns leads to an over 80% decrease in transaction size(CNN).
バレット プルーフは使用する暗号証明のサイズを縮小し、結果的にトランザクションサイズを80%以上減らすことができる(CNN)。

今後、ほかにもバレット プルーフや似たような技術を採用して、手数料を大幅に減らしてくれる仮想通貨がでてくることを祈ろう。

価格にはあまり影響なし?

「これで一気にモネロが盛り上がるのでは?」と思いきや、コインマーケットのデータをみる限り、今のところ派手な動きはないようだ。むしろ、ハードフォーク直前より価格も取引量も微妙に減っていて、10月31日の最高値は104.90ドル。ピークだった昨年12月と比べてしまうと70%も値下がりしているのだが、プライバシーを重視する仮想通貨ユーザー間では根強い人気を誇る。

「匿名性が高い=犯罪に悪用されやすい」という懸念はあるが、「10年後には4万ドルを超える」という、すさまじい予想もあり、地味に目が離せないコインのひとつだ。

匿名性と信頼性を高める「ゼロ知識証明」

1985年にマサチューセッツ工科大学の研究者グループによって発案された2者間で交わされた情報が真実であることを、個人情報を公開せずに証明する手法のこと。例えば「AさんがBさんに提供した情報は本当です」と、BさんにAさんに関する情報を一切与えずに証明してくれる。

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