「時価総額が1時間で130億ドル上昇」の謎 ビッサム騒動で玉砕?
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地球の皆さんこんにちは。
クリプトボーイです。
「仮想通貨の時価総額がわずか1時間で130億ドル上昇」という信じられない事態が6月18日に起きた。翌日の韓国大手仮想通貨取引ビッサムのハッキング事件であえなく玉砕したものの、「価格再高騰が期待できる?」という希望の光は残っているかもしれない。
コインテレグラフの記事から、幻の130億ドル上昇を追ってみよう。
時価総額3000億ドルのレベルにあと少し?
「コイン360」 のデータによると、同日UTC17時50分の時点で、最大の値上がりを記録したのはビットコインキャッシュ(BCH)で4.18%増。ビットコイン(BTC)は3.55%増、イーサリアム(ETH)は3.70%、NEOは3.15%、リップル(XRP)は2.68%など、主要仮想通貨が軒並み急上昇。
Total market capitalization of all cryptocurrencies is around $289.2 bln at press time, spiking up $13 bln in one hour and reaching levels only slightly less than its weekly high around $300 bln on June 12.
時価総額は2892億ドルに達し、1時間で130億ドル上昇。3000億ドルを記録した6月13日の水準にあと少しという水準となった。
米決済サービス「スクエア」 が、ニューヨーク州金融サービス局からビットコイン・ラインセンスを取得したというポジティブなニュースが市場を沸かせたようだ 。
国際決済銀行の警告
前日に国際決済銀行(BIS)が24ページにもおよぶ報告書 (PDF)を発表し、仮想通貨の未来に悲観的な見方を示していただけに、価格高騰は予想外の展開である。
BISは仮想通貨の非中央集権化を強みではなく欠点と見なしており、分散型コンセンサスの脆弱性が原因で、市場の信頼がいつ消滅しても不思議ではないと批判している。
The BIS report outlines three key “shortcomings” that will prevent crypto from replacing money – these being “scalability, stability of value and trust in the finality of payments.”
BISは報告書の中で、「スケーラビリティ、価格の安定性、支払いの最終段階における信頼性」を、仮想通貨が現金を追い越せない3大欠点として挙げた。
また仮想通貨取引の規模が拡大するにつれ、コミュニケーション量と保管スペースの問題が深刻化し、「インターネットをパンクさせる」懸念も示した。少数のマイナーが価格に関して絶大な権力をにぎっている点についても触れている。
ありがちな批判ではあるが、「ごもっとも」と同意せざるを得ない正当な意見でもある。しかし市場はこうした警告に免疫がついてしまったのか、スクエアの参入報道というポジティブなニュースが勝利する結果となったようだ。
一部の仮想通貨ユーザー間では、「BISの仮想通貨妨害戦略」「中央銀行は仮想通貨にビビっている」 といった、反発が起きている。
ビッサムのハッキングで玉砕
しかし!残念ながら、その後バイナンスコイン(BNB)やミックスイン(XIN)を除く多数の仮想通貨がまたもや急下降した。9.87%減のEOS、8.07%減のETHを筆頭に、BCHは7.70%減、NEOは7.95%減、BTCは5.45%減、XRPは4.14%減と、恐ろしいペースで暴落した。
1時間で130億ドル上昇の後、1日で100億ドル減とは、まさに「茫然自失」という言葉がピッタリの状況だ。現在は2676億ドルまで落ち込んでいるので、200億ドル以上の損失=結局足が出ている。
19日の韓国の大手仮想通貨取引所ビッサムのハッキング 報道が、価格再急落の引き金になったのだろう。
ハッキングの度に価格が大暴落するのは、既に仮想通貨のパターンだ。天下のゴールドマン・サックスのロイド・ブランクファインCEOも 仮想通貨にポジティブな見解を示しているようだし、ここはひとつ、悲観的にならずに今後の成り行きを見守りたいものだ。
ビットコイン・ライセンスとは?
ニューヨーク金融サービスがニューヨークのビットコイン取扱い業者に発行する「法律に従ってビットコインを取り扱っています」という証明書。2015年8月の導入以来、リップルとサークル、コインベース、ビットフライヤーUSA、そして新たにスクエアが取得している。
ビッサムのハッキングとは?
19日のサイバー攻撃で3000万ドル以上の仮想通貨が流出。ビッサムはアップグレードのために、大量の仮想通貨をコールドウォレットに移動させていた。ビッサムは昨年7月にもハッキングされ、顧客情報を流出させている。
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