ドバイ最大の取引所ビットオアシス、UAEディルハム出金停止
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地球のみなさん、こんばんは!
クリプトボーイです。
リップルも上場したドバイ最大の取引所ビットオアシス(BitOasis)が、UAEディルハム/ビットコイン(BTC)の取引ができない状態におちいっているとCNNが報じた。過去にも同じ出金停止令が出ていたそうだが、一体なにが起こっているのだろう?
出金停止騒動
報道によると、ビットオアシスは5月14日、翌日以降UAEディルハムの出金を一時的に停止する通知をユーザーに配信した。原因は「銀行との問題」ということだが、詳しい説明はない。CNNがアラビアン・ビジネス経由で入手した某ユーザー宛てのメールは、以下のような内容だ。
“If you decide to leave your fiat balances the only way for you to withdraw your funds at any time after May 15th would be to convert it to cryptocurrency and send it to an external wallet”.
「5月15日以降は外部のウォレットに移し替えていただくしか、法定通貨を出金する手段がありません」
“If you choose to keep your AED fiat balances after May 15th, currently we do not have any date on when we will be reactivating AED fiat withdrawals, but we are hard at work to provide our customers with this service”.
「現時点では、UAEディルハムの出金再開に向けて全力を尽くしておりますが、再開時期の目途は立っておりません」
BTC、BCH、ETH、XRP、LTC、XMR、ZECなどほかの仮想通貨は通常通り取り扱っているほか、「6月16日まではクレカで入金すると手数料が4%に割引きされる」という嬉しいキャンペーン中だが、UAEディルハム/BTCを中心に利用していたユーザーにとっては不便で仕方ない。ほかの仮想通貨の出金も停止になるのでは?という不安も脳裏をよぎる。
ビットオアシスの不可解な沈黙
腑に落ちないのは、ビットオアシスのサイトやTwitter、ブログでは、こうした情報が一切告知されていない点だ。なぜこんな重要な情報を公表していないのだろう?
CNNには別のユーザーとビットオアシスのTweeter経由のやり取りが掲載されてるが、このユーザーのアカウントは観覧できないので確認がとれない。ただし、ビットオアシスはここで「UAEディルハムの出金はすぐに再開しますのでご安心下さい」といったコメントを返している。
一瞬フェイクニュースでは?と勘ぐってしまうが、そうでもないようだ。「UAEディルハム出金停止メールが送られてきて以降、ビットオアシスにサイト経由でアクセスできない」などのほかのユーザーからの苦情が、SNS上で炎上しているらしい。フェイクニュースであればビットオアシスは即座に正式なコメントを発表して、事態の収拾を図るだろう。それをしていないということは、やはり出金停止は本当なのだ。
過去にも出金停止
実はビットオアシスは1月にも、エミレーツNBD銀行など3行とトラブルを起こしている。ガルフニュースはこう報じている。
In a blog post dated January 7, Dubai-based BitOasis said it has stopped supporting deposits and withdrawals from customers registered with Emirates NBD, after the bank stopped accepting some transfers(Gulf News).
1月7日、ドバイを拠点とするビットオアシスは、エミレーツNBD銀行に登録している顧客の出金を停止したとブログで発表した。エミレーツNBD銀行が取引を停止したことが原因だ(ガルフ・ニュース)。
この発表後、マシュレク銀行、ヌール銀行に登録している顧客との取引も停止した。アラブ首長国連邦当局からの圧力が原因だったようだ。
しかし同月にはXRP、4月にはZcashの取扱いを始めたほか、MENA(中東・北アフリカ地域)初のデジタル資産会社として承認される野望を公表した直後のトラブルだけに、今後の動きが注目される。
ビットオアシスとは?
2014年、女性起業家オラ・ドーダン氏がドバイで設立したハイブリッド・ウォレット/取引所。ドバイ最大規模だが、例えばサイトに連絡先が記載されていない(アクセスはサイト上の連絡フォームやSNSのみ)など、不透明な部分が目につくのも事実だ。
二度の資金調達ラウンドでは、デジタル・カレンシー・グループなどが出資している。
アラブ首長国連邦、仮想通貨へのスタンス
ドバイ政府が独自の仮想通貨「emCash」の発行を発表するかたわら、金融サービス規制庁(FSRA)が1月に、仮想通貨とICO関連の規制準備を進めていることを明らかにしている。仮想通貨関連の動きを政府の管理下に置きたいのだろう。今後ビットオアシスのような関連企業への締め付けが、さらに厳しくなりそうだ。
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