ビットコインの損益分岐点は8600ドル？モルガン・スタンレー予想

地球のみなさん、こんばんは！
クリプトボーイです。

モルガン・スタンレーのアナリストチームが、
「ビットコインの価格が8600ドルから回復しなければ、採掘者は元を取れない」
との見解を示したという。

今回は、海外記事を翻訳して詳しく解説するぞ！！

 

なぜ8600ドルが損益分岐点なのか？

If bitcoin can’t recover $8,600 soon, bitcoin “miners” will likely find it unprofitable to keep creating the cryptocurrency, Morgan Stanley analysts said.
Bitcoin traded slightly higher near $8,200 on Thursday, according to CoinDesk. It has struggled to recover in the last few months after tumbling from a record high above $19,000 in mid-December.

ビットコインの価格がすぐに8600ドルへ回復しなければ、採掘者は仮想通貨の発行に収益性をみいださなくなるだろう―と、モルガン・スタンレーのアナリストチームは述べた。

コインデスクによると、
ビットコインは木曜日（2018年4月19日）、8200ドル弱で取引きされていた。

ビットコインの価格は、2017年12月中旬に過去最高の1.9万ドルを記録した後急落。過去数か月にわたり回復に時間を要している。

このシミュレーション結果を発表したのは、
モルガン・スタンレーのエクイティアナリスト、チャーリー・チャン氏を含むアナリストチームだ。

要するに、
ビットコインの大手マイニングプールが採算をとれる限界ラインは8600ドルで、
これ以下だと足がでるということだ。

“We estimate the break-even point for big mining pools should be US$8,600, even if we assume a very low electricity cost (US$0.03 kW/h),” equity analyst Charlie Chan and his team said in a Thursday note.
“Therefore, we think the Bitcoin mining hardware demand and price will decline further and affect TSMC’s wafer demand,” the report said.

たとえ電力コストを0.03米ドル kW/hと非常に低く見積もっても、ビットコインの大手マイニングプールが採算をとれる限界ラインは8600ドル。
したがって、ビットコインの採掘ハードウェアへの需要や価格はさらに下落し、台湾積体電路製造（ TSMC）の半導体ウェハの需要にも影響をあたえるだろう。

アナリストチームは以下のような計算で、
大手マイニングプールにとっての今後2年間の損益分岐点見積もりをだしている。

ハードウェアコスト　1050ドル
日収（ビットコイン価格7000ドルで想定）　7.05ドル
電気代　0.03米ドル kW/h
日次利潤　6.06ドル
投資回収期間　173日

この計算で算出すると、
大手マイニングプールにとっての損益分岐点は8600ドルとなる。
リテーラーとASIC（特定用途向け集積回路）販売業者の損益分岐点も見積もられており、
各1.02万ドル、5000ドルと推測されている。

仮想通貨マイニングの需要に忍びよる不穏な影は、大手マイニングメーカーにも広がりをみせている。

TSMC, or Taiwan Semiconductor Manufacturing, on Thursday lowered its 2018 revenue guidance to 10 percent growth from 10 to 15 percent based partly on uncertainty in cryptocurrency mining demand. Morgan Stanley estimates about 10 percent of the giant Asian chipmaker’s revenue now depends on cryptocurrency mining demand.

台湾積体電路製造（TSMC）は木曜日（2018年4月19日）、2018年の収益予想を10～15%から10%に引き下げた。仮想通貨マイニングの需要に広がる不確実性が、引き下げの理由のひとつだ。モルガン・スタンレーは、アジアの巨大チップメーカーの収益の約10%は、仮想通貨マイニングの需要次第だと予想している。

 

大半のマイニング参加者は中国の採掘者

CNBCはここで、ビットコインのマイニングについて簡単に説明している。

Bitcoin “mining” uses high computing power to solve a complex mathematical equation, proving an anonymous miner used the process the network agreed upon to build the blockchain’s record of transactions. Miners then get bitcoin in reward for successfully completing the equation.

ビットコインのマイニングには複雑な数学方程式の回答を求めるため、高い計算処理能力を要する。それと同時に、ブロックチェーンの取引記録を構築する目的でネットワークが合意したプロセスを経て、採掘者がマイニングを行ったことも証明される。採掘者は（正規の手段に従って）方程式を解いた報酬として、ビットコインを受けとる。

大半のマイニング参加者は中国の採掘者で、効率アップを狙い、集団で作業を行うマイニングプールに属している。しかしマイニング参加者の増加にともない、マイニングの難易度も上がっている。

 

台湾積体電路製造（TSMC）とは

中華民国新竹市を拠点とする、政界最大規模の半導体ファウンドリー（受託生産企業）。
1987年に設立され、Appleやクアルコムを顧客にもつ。

近年は仮想通貨マイニングの活況を受け、ASIC分野にも注力している。

 

マイニングプールとは

採掘作業の効率アップを図る目的で、
大勢の採掘者が共同で採掘作業を行う仕組みのことだ。

作業を分担するため報酬を得やすくなるが、
当然ながら報酬は山分け＝個人の報酬は少なくなる。

AntpoolやF2Pool、BTTCPoolなどが、大手マイニングプールとして有名だ。

“We think the injection of new mining capacity will further increase the mining difficulty in 2H18,” the Morgan Stanley analysts said. “Even if the Bitcoin price stays the same in 2H18, we believe mining profits would drop rapidly, according to our simulation.”

新たなマイニング容量の導入により、
2018年後半はマイニングの難易度がさらに上がることが予想される。

シミュレーションの結果のよると、例えビットコインの価格に変動がみられなくても、
マイニングによる収益は急速に縮小する。

マイニング容量の導入とは、2017年8月1日のハードフォークを指すものだろうか。
ハードフォークが行われた結果、ビットコイン・キャッシュ（BCH）が生まれ、1ブロックの容量が8MBに拡大した。

 

ハードフォークとは

仮想通貨の仕様変更手段と考えればいいだろう。

ビットコインに代表される仮想通貨のスケーラビリティ問題（取引延滞・手数料高騰など）
への対応策のひとつで、容量自体を拡張するという特徴がある。

旧ルールとの互換性をもたないため、
2017年8月1日に実施されたビットコインのハードフォークでは、
ビットコイン（BTC）とビットコイン・キャッシュ（BCH）に通貨が分裂した。

CNBCはこの記事で、マイニングチップを販売する企業は、
これほど切羽詰まった状況には追いやられないかもしれないとの見解を示している。

The Morgan Stanley model estimates an application-specific integrated circuit, or asic, vendor would break even over two years if bitcoin traded near $5,000.”

モルガン・スタンレーの見積もりによると、ASICの販売業者はビットコインの価格が5000ドル近くに下がっても、2年以上は持ちこたえられるだろう。

モルガン・スタンレーの予想によると、最も厳しいのはリテーラーで、大手マイニングプール、ASIC販売業者という順位になる。