スケーラビリティ問題に対処する団体「ビットコイン・オプテック」設立
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地球のみなさん、こんばんは!
クリプトボーイです。
ビットコインのエンジニアが、スケーラビリティ問題に取り組む非営利団体を立ち上げた。
ビットコイン企業がブロックチェーンを効率的に使用するための、最適なスケーリング技術などの採用を支援するのが目的らしい。
ビットコイン・オプテックとは?
正式な発表によると、正式名は「ビットコイン・オペレーションズ・テクノロジー・グループ」とやたらに長いので、「ビットコイン・オプテック」と省略するそうだ。
団体名から想像できる通り、
We’re calling the project Bitcoin Operations Technology Group because we want to focus on operational technical work, such as segwit usage, transaction batching, fee estimation and coin selection.
セグウェットの利用・取引のバッチ処理(あらかじめ登録しておいた一連の処理を、自動的に実行する処理方式)・手数料の見積もり・コインの選択といった運用技術業務に重点的に取り組む
ことを目的に設立された。
PayPalの取締役員ウェンセス・カサーレス氏、プフェッファー・キャピタルのパートナー、ジョン・プフェッフアー氏、仮想通貨研究開発団体チェーンコード・ラブズなど、豪華メンバーがサポートする。
ビットコイン・オプテックはあくまで「ビットコインの普及を望むエンジニアと貢献者からなる団体」で、ビットコイン財団のような存在とは一線を引いている。また「いかなるビットコイン関連企業の代表でもない」非営利団体だ。
スケーリング問題解決に向けた活動計画
現時点では以下のような活動計画を立てている。
1.ビットコインネットワークを利用する企業のエンジニア、オープンソース・コミュニティーとのエンゲージメントの継続
2.週刊ニュースレターや「スケーリング・マニュアル」などを通した、高品質な技術コンテンツ作成の継続
3.ビットコインのエンジニアがスケーリング問題を議論し、結果をオープンソース・コミュニティにフィードバックするためのワークショップの開催を増やす
4.技術的なスケーリングの問題について議論する、ビットコインのエンジニア向けのオンラインフォーラムの開催
5.スケーリング技術の採用とビットコイン・ネットワークの全体的な健全性の監視
スケーラビリティ問題の近況
スケーラビリティ問題については様々な解決案が提案されているが、今のところライトニングネットワーク(LN)が有力候補だろうか。しかし最近になって「LNのルーティング送金は、当初期待されていたほど効果的ではない」と示唆した報告書が発表されるなど、ちょっと雲行きが怪しい。
LNラボの共同設立者やビットコインコアの開発者たちは、「LNはまだベータ版!」と猛反論している。
7月10日には仮想通貨決済ゲートウェイ、コインゲートがパイロット・プログラムを立ち上げ、100人の業者がビットコインLNネットワークでのトランザクションをテストしている(コインテレグラフによる)。
LNに限らず、開発者やエンジニア、業者、ユーザーなどが協力しあって色んな解決案を試していくことで、いずれ本当の解決法にたどり着くのではないだろうか。仮想通貨にしてもブロックチェーンにしても、まだまだ歴史の浅い技術なのだから、試行錯誤は当たり前だろう。
スケーリング技術とは?
「スケール(規模)」を拡張する技術。取引量の増加にともない、システムを拡張しないと取引処理能力が追い付かないのだが、ビットコインのブロックサイズは1MBしかないので、どんどん取引が延滞していく。
そこで最適な方法で拡張を可能にする技術について、世界中のエンジニアや開発者が議論し合っているわけだ。
LNネットワークとは?
ブロックチェーン上ではなく、外(オフチェーン)で取引を行う技術。ブロックチェーンの負担を軽くするほか、取引処理のスピードアップや手数料カットにも役立つ解決案として注目されている。
ただし懐疑派もいるので、今はまだ「解決案のひとつ」の領域を出ていない。
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