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DEX(分散型取引所)の必要性を考察。最近の仮想通貨市場の動向から

2018/10/01

クリプト鬼

クリプト鬼

この記事は約10分で読めます。

OTC市場(相対市場)の取引ボリュームの増加、匿名性の高いコインを使用することによる節税、取引所の規制と適正化。
これらの動きは暗号通貨市場に大きな影響を与えています。暗号通貨市場ボリュームの低下の理由になっています。
DEX(分散型取引所)は市場ボリュームが改善される潜在的な可能性があります。
今後、増えていく可能性もあります。この記事では最近の市場動向でなぜDEX(分散型取引所)が必要とされるのかを考察して共有させて頂きます。

暗号通貨市場のボリュームは大きく下がった


※参考情報https://coinmarketcap.com/charts/の9月26日時点のチャート
コインマーケットキャップドットコムの情報によれば、暗号通貨市場ボリュームは2018年1月がピークであり、市場ボリュームは約4分の1まで低下しました。
この理由が先に説明した・・・
・OTC市場(相対市場)の取引ボリュームの増加
・匿名性の高いコインを使用することによる節税
・取引所の規制と適正化
こういった動きが関係しています。
これというのは節税やマネーロンダリングの動きが関係しています。

カウントされない大口の取引

OTC取引は昨年2017年よりも今年の2018年は10倍になった

暗号通貨市場ボリュームの低下に伴い多くの取引所で出来高が低くなっています。
日本はそれが顕著です。しかし、一方でOTC取引(相対取引)は昨年の10倍に増加したと言われています。
世界的に使用されている暗号通貨時価総額ランキングサイトである「coinmarketcap.com(コインマーケットキャップドットコム)」では、登録された取引所のデータを基にコイン毎に平均価格を表示しています。
多くのトレーダーや取引所が参考にするデータです。
OTC取引(相対取引)は取引相手と直接連絡を取り、対面でコインの受け渡しを行います。
その為、データが集約されずcoinmarketcap.com(コインマーケットキャップドットコム)に反映されません。

つまり、暗号通貨市場ボリュームの低下というのは
確認できる集約されたデータを見る限りの話しであり、低下した分のいくつかの取引はOTC取引(相対取引)という明確に確認ができない市場で売買されているのが現状ということです。

暗号通貨は現状、生活に紐づいた実需用が獲得されていない為、あくまでもトレードによる利益を目的とした必要性で購入されています。
上がったら売る。下がったら買う。実需用での購入目的がないので底値が上がらない訳です。
このような状態でOTC取引に多くの流動性がある場合、買い圧力が下がるのは言うまでもありません。

OTCは大口取引が多い

取引所でコインを売買する場合、価格が変動します。
価格は買ったら上がり、売ったら下がるからです。これはトレードの買い板と売り板の仕組みが関係しています。
多くのコインを保有する人はこの状態を好みません。また、暗号通貨の利確時に発生する税金の支払いも嫌います。
つまり、大金のトレードでは買い板、売り板の仕組みがない上、推奨はできませんが、節税効果があると考えられるOTC市場が有利に働く側面があるということです。

ここまでのまとめ

暗号通貨の市場ボリュームが下がった理由の一つは税金を嫌う保有者がOTC取引(相対取引)を使用しているからです。
流動性がない為、買い圧力がないです。
OTC取引に限らず、coinmarketcap.com(コインマーケットキャップドットコム)のような多くの人が参考にするデータに取引データが反映されれば、改善される可能性があります。
事実、イランで一時Bitcoin(ビットコイン※以後BTC)が270万円以上になった時、他国ではその影響がありませんでした。また、coinmarketcap.com(コインマーケットキャップドットコム)にもイランでの取引データが反映されていませんでした。
反映されていれば、BTCの価格の平均価格がサイト上で上昇し、それを見たトレーダー達がより安い取引所で購入し、全体的な価格上昇をした可能性があります。

DEX(分散型取引所)の必要性

DEX(分散型取引所)とは

横領、マネーロンダリング等の不正。私達が無意識の内に信用しがちな企業が管理をする金融企業も完全に機能している訳ではありません。
ブロックチェーンの機能の一つである「スマートコントラクト」による自動管理システムで不正のない公平な取引所が期待されています。
この企業の人員による管理でなく、プログラムによる公平な管理がオープンされている取引所が「DEX(分散型取引所)」です。

なぜDEX(分散型取引所)が流動性の改善につながると考えられるのか

現状、多くの取引所は規制化され始めており、顧客情報管理が厳しく見直されています。
犯罪防止の観点では良いのですが、OTC取引(相対取引)に目を向ける人にとっては好ましくありません。
現状のDEX(分散型取引所)は、個人情報の提出不要となっている為、OTC取引(相対取引)のデメリットが改善されたものが出てくると需要が出てくる可能性があります。
OTC取引(相対取引)は直接対面です。
その為、脅しや片方がモノを受け取り、片方が対価を渡さない等の不正リスクがあります。
※例BTCを渡したが現金を受け取れないなど
また、直接対面にかかる交通費や移動時間などの手間も発生します。
これは不便です。
信用のおけるDEX(分散型取引所)が登場するとこういったリスクや不便から解放されます。
インターネットを通して匿名性が保たれた形で取引が出来るからです。
現状、DEX(分散型取引所)は流動性がなかったり、インターフェイスが分かりにくかったり、動作の稼働が難を示したりと使用者が少ないです。
つまり、DEX(分散型取引所)は発展途上であることを考慮して今後、普及していく可能性があるという事です。

過去にEtherDelta(イーサデルタ)と呼ばれるDEX(分散型取引所)があり、そこそこの取引量がありました。
coinmarketcap.com(コインマーケットキャップドットコム)にも掲載されており、取引ボリュームもカウントされていました。
しかし、インターフェイスの稼働が良くない上に、ハッキングをされて信用を完全に失くしました。
視点を変えると、稼働が良くセキュリティの信用がある程度あるDEX(分散型取引所)が出てきた場合は、OTC市場(相対取引)不便を感じる人たちが使用する可能性があります。
そして、その取引ボリュームはcoinmarketcap.com(コインマーケットキャップドットコム)にカウントされてデータとして確認できる出来高となり、結果として価格に反映される事に繋がるということです。

DEX(分散型取引所)普及への課題

異なるブロックチェーンのトークンの取引を可能とするアトミックスワップ

Bitcoin(ビットコイン※以後BTC)
ethereum(イーサリアム※以後ETH)
NEO(ネオ)
ADA(エイダ)
AION(アイオン)
など、現状多くの暗号通貨が存在しています。上記のコインはプラットフォーム型と呼ばれるタイプのコインです。
プラットフォーム型はトークンを作ることができます。

例として・・・
プラットフォーム
=ETH
ETHを利用して生み出されたトークン
=OmiseGO(オミセゴー※以後OMG)

と、いった事です。

現在、多くのトークンとプラットフォーム型コインがありますが、
基なるプラットフォーム型ブロックチェーンは互換性がありません。
つまり、ブロックチェーン技術的にはETHの価値やデータをNEOやBTCに移動するといったことが出来ません。
DEX(分散型取引所)においてはこれは大きな壁です。

DEX(分散型取引所)はスマートコントラクトと呼ばれる技術を使用して、管理者でなく自動プログラムによって稼働することで横領といった不正が行えない事が実証された形で運営されることを期待されています。
これを上記の課題に当てはめると・・・

ETH系しか扱えないDEX(分散型取引所)
NEO系しか扱えないDEX(分散型取引所)
ADA系しか扱えないDEX(分散型取引所)
と、いうようにプラットフォーム型コインの種類だけDEX(分散型取引所)が必要となります。
運営者からしたら、その分多くの仕組みを用意することあります。
これは時間とお金の手間が余計に発生します。
なおかつ、最もポピュラーであり暗号通貨の基軸通貨と呼べれるBTCを扱う事ができません。

アトミックスワップ技術を使用すれば、
異なるブロックチェーンでも互換性を持たせて、価値を移動する事が来ます。
BTC/ETHといった異なるブロックチェーンのトレードも可能となり、課題が解決できると言われています。

現在、アトミックスワップは研究・開発が進められているので、いずれ実装されることが期待されています。

AML/KYC健全化

投資家の節税のニーズ、規制をしたい各国の考え。これは現状、矛盾を抱えています。
例えば、完全に匿名性が保たれたDEX(分散型取引所)が登場し多くのユーザーを獲得したとします。
インターネット上に存在しているので利用率や人気度は政府も把握が可能です。
こうなると政府も黙っていないでしょう。

今後の展開次第ですか、DEX(分散型取引所)も普及してくると顧客情報管理を必要とし、政府にデータを開示をする義務が生じる可能性があります。

取引所に限らず、匿名性の高いサービスは存在しています。
telegram(テレグラム)もその一つです。

投資家の節税のニーズを保ちつつ、各国の規制に準拠するといった運営が課題の一つと考えれれます。

取引処理能力(スケーラビリティ)の向上

世界中の誰でも公平に利用する為には、獲得したユーザーの取引処理を行う必要があります。
ブロックチェーン技術の普及の課題の一つに取引処理能力の向上というものがあります。
例えば、BTCは1秒間に7回しか取引を処理できないとされています。
世界中でいっせいにBTC決済を実行するとパンクするのが想像できると思います。

現状、取引処理能力改善の為の技術の研究・開発が進められています。
(ライトニングネットワーク、plasma、相互運用技術による処理のサポートなど)

セキュリティの信用獲得

「ブロックチェーンはセキュリティが高い」
と、いう評判を聞いたことがある方もいるかと思います。
なので、ブロックチェーンで構築されたDEX(分散型取引所)はセキュリティが高いというイメージもあるかもしれませんが、過去にDEX(分散型取引所)がハッキングされた例もあります。

オープンソース化されたロジックとしてのセキュリティの高さ。
その上で、不正アクセスされた時の投資家保護の対応。
(収益から投資家保護に充てる資金の積み立てをスマートコントラクトで行うなど)
こういったことが必要になってくると考えれます。

動作の改善

DEX(分散型取引所)は過去の例からいくと、動作が既存の取引所に比べて良くないです。
結果として、利用するユーザーが少なくなり、板が薄く流動性の低さに繋がります。
信用の点もユーザーが増える上で重要なのですが、現在の暗号通貨トレーダーは早期利益確定の短期トレーダーが多いので動作が極めて重要なので、この項目に記載させて頂きました。

最後のまとめ

現在、暗号通貨の流動性の低さは表の確認できるデータの話です。OTC取引(相対取引)は昨年の10倍の取引量があるとされています。
結果として、表のデータの流動性の低下は価格の低下に繋がります。
流動性が低いと買い圧力が低い為です。

DEX(分散型取引所)はこの事態の改善につながる可能性があります。
OTC取引(相対取引)は大口を保有する投資家の節税目的で使用されることが多いです。
DEX(分散型取引所)は匿名性が保たれています。
しかし、動作が悪い、セキュリティの信用性が無い、投資家保護のリスクがある、アトミックスワップ、スケーラビリティ技術の改善や開発といった課題があります。
普及後は顧客情報管理を行う義務が発生する可能性もあります。
ですので、DEX(分散型取引所)は普及後のコンプライアンスも見定めた運営が必要であると言えます。

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