ビットコインコア開発者、「民主主義なマイニングプール」発表
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地球のみなさん、こんばんは!
クリプトボーイです。
ビットコインコアの開発者マット・コラッロ氏が、「BetterHash」というプロトコルベースのマイニングプールを発表した。少数のマイナーによるビットコインの独占化を阻止しよう!という試みだ。
ビットコイニストの記事から 詳細を見てみよう。
大手マイニングプールが採用しているプロトコルの欠点
コラッロ氏は6月25日、独自のマイニングプールのサンプル版を公開した (ツイートはここ)。「まだDoSに脆弱性が見られるが、ちゃんと機能している」という前提だ。
通常、ユーザーはマイニングプールの所有者が所定したブロック・テンプレートを使用するが、「BetterHash」ではユーザーに独自のブロック・テンプレートを使用するオプションを提供している。
ビットメインやアントプールなど、大手ビットコイン・マイニングプールは「Stratum」というプロトコルを使用しているので、この時点でコラッロ氏のマイニングプールが全く別物であることが分かる。
「Stratum」だと何がまずいのか?コラッロ氏は6月、ジミー・ソング氏の 取材で「Stratum」の欠点を指摘している。
“Over Stratum you get the block templates, you get information about how to build the coinbase and also information representing all of the transactions in the block. This means that end user miners have largely no control over what they’re mining on,”
「Stratumに関しては、ブロック・テンプレートのほか、コインベースの構築方法に関する情報、ブロック内のすべてのトランザクションを表す情報が取得できる。つまり、エンドユーザーであるマイナーには、マイニングのコントロール権が与えられていないということだ」
大手マイニングプールによる独占化
マイニングの分散化実現が、コラッロ氏の新マイニングプール開発の機動力になっているのは明らかだ。
大手マイニングプールの独占力はますます加速しており、例えばマイニングASICを開発するビットメインは「ハッシュレートの42%を支配している」らしい。
BTC.com7月5日のデータによると、マイニングプールのシェアは同社が22.6%、ViaBTCが14.2%、アントプールが13.6%。要するに半分以上をたった3つのプールが独占しているということだ。
マイニングの独占は、民主的な仮想通貨の理念に反する行為である。
“This protocol is designed to allow users to run their own full node if they want to… they can build their own templates, select their own transactions (not censor transactions), choose which block they’re mining on to prevent a 51% attack or a selfish mining attack,”
「BetterHashなら、ユーザーは独自のフルノード(全ブロックとトランザクションをダウンロード・検証するノード)を利用することが可能だ。自分でテンプレートを作ったり、トランザクションを選んだり、51% 攻撃やセルフィッシュ・マイニング攻撃を防止するために、採掘するブロックを選んだりできる」
参加手段や手数料に関しては既存のマイニングプールと同じシステムだが、「マイニングのコントロール権をマイナーが取り戻す」という意味で、マイニング市場の新風となりそうだ。
“The miners are now the miners again, rather than the miners being the pools,”
「マイナーがプールの一部ではなく、再びマイナーとしてマイニングできる」
マイニングプールとは?
複数のマイナーが共同でマイニングを行い、それによって得た報酬をハッシュレートなど貢献度に応じて山分けするシステム。マイニングプールの勢力が拡大し過ぎた現在、個人でのマイニングは非常に難度が上がっている。
Stratumとは?
マイニング・プロトコル。2012年後半に廃止されたネットワーク・プロトコルの代用として登場した。実装だけではなく、バグの解消も簡単にできるため、広範囲で利用されている。
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