最近のVitalik(ヴィタリック)の発言。暗号通貨(仮想通貨)市場とETHEREUM(イーサリアム)の今後の成長に必要なことを考察
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ethereum(イーサリアム※以後ETH)の創始者のVitalik(ヴィタリック)は
「暗号通貨(仮想通貨)市場は今後1000倍の価格の上昇は見込めない」と発言しました。
これに対してbinanceのCEOのCZ氏やETHの共同設立者であるLubin氏はこの意見に反論しています。
また、Stellar(ステラ※以後XLM)の技術アドバイザーであるJeremy Rubin(ジャーミー・ルービン)氏は
「ETHの資産価値はゼロになる」と意見を出しました。
これらの意見の内容を調べてみるとそれぞれの言い分は、今後、技術者、トレーダー、長期投資家達として市場に参加をする人達にとっては有益と考えたので共有と考察をさせて頂きます。
コンテンツ目次
暗号通貨市場の1000倍の成長に関して
Vitalik(ヴィタリック)の言い分のざっくりとした要約
1000倍の価格上昇は市場ボリュームで考えると世界の総財産の70%に達することになる。暗号通貨市場は参加者は少ないけども、「聞いたことはある」という人は多い。つまり、広く認知されている。
では、世界の財産が暗号通貨に集中することはありえるのだろうか?まず、ないと考えるのが妥当だろう。これはblockchain(ブロックチェーン)市場での理由の成長の余地がないということを言っている訳ではない。
また、これまで市場はマーケティング戦略でトレーダーに対して情報を発信していた。
今後の成長に必要なのは実際にブロックチェーンコンテンツが使用される必要がある。
つまり、暗号通貨やブロックチェーンを多くの人に知ってもらった上での数字が出て、それを検討したら上昇の天井が見えてきたという事を言いたいのではと考えられます。
そして、トレードという部分でなく、ブロックチェーンコンテンツが実需用を持つことが今後の市場の成長に必要だということです。
これまで、暗号通貨の価格は実需用が伴っていません。そして、現状は多くの人が暗号通貨という言葉を知っている。
需要が広がり、ブロックチェーンコンテンツが拡大しても、それが実需用があっても暗号通貨の価格として1000倍に達するのが難しいのではという意見と考えられます。
参考情報
https://apptimes.net/archives/19318
https://www.ccn.com/vitalik-buterin-clarifies-1000x-market-growth-comment-mocks-backlash-and-justin-sun/
vitalikのTwitter:https://twitter.com/VitalikButerin?lang=en
binanceのCEOのCZ氏の言い分のざっくりとした要約
暗号通貨は1000倍に成長する余地がある。多くの金融市場が暗号通貨市場に統合される可能性がある。仮に米ドルが全て暗号通貨市場に入ったとしても、それは1000倍近くになる。
暗号通貨は従来の金融市場を超える可能性がある。
つまりは、
「現在の暗号通貨市場は既存の金融市場にとって代わる可能性があり、そうなった場合は既存の現金資産ははじめ多くのお金が入るので1000倍なんて普通にあるぞ」
と、いう事を言いたいのだと考えられます。
ETHの共同設立者であるLubin氏の言い分のざっくりとした要約
ブロックチェーンは未熟な技術であり、現在は今後のインパクトの初期段階である。
この技術は将来的に政治・経済に大きな影響を与えると考えている。
そうなった場合、現在の資産は暗号通貨で表現されることになるだろう。
例として、ブロックチェーンにその資産の価値が記録されてトークンとして使用されるだろう。
まだ、成長は続くよ。
つまりは、
「これまで確認できた数字は成熟していないブロックチェーン市場の数字。技術の研究と開発が進み、影響力が高まればそれは数字として、1000倍以上となる可能性は十分にある」
おそらくはこういった事を言いたいのだと考えられます。
参考情報
https://www.ccn.com/binance-ceo-zhao-crypto-market-will-absolutely-grow-1000x-and-more/
3者の意見を考察
3人の意見を比較すると、Vitalik(ヴィタリック)はトレード中心の話をしていると考えられます。
ブロックチェーンの採用の話等ではなく、マーケティング戦略によるトレーダーの情報発信による成長の話をしています。
さらに、Vitalik(ヴィタリック)は全ての財産が暗号通貨になることがないと言っています。
ここがおそらく重要なポイントです。
CZ氏、Lubin氏の話を考察すると彼らは政治、経済のお金が市場に入るという前提の話をしています。
これというのは、多くの資産が暗号通貨市場に入ることを意味します。
ようするに、vitalikとは表現が違うので分かりにくいですが、
「公式で暗号通貨が資産と認められるか否か」がポイントになると考えれます。
最近、発表された世界銀行のBondiはETHのブロックチェーンを使用した債権のサービスです。
ようするに、こういったものが今後も増えて使用されるかが重要となります。
また、3人の意見の共通点は「今後の市場の成長は実需用としてブロックチェーンが浸透することが重要」という点です。
まとめると・・・
・実需用獲得見込みの高いブロックチェーンコンテンツが今後、増えるか否か?
・現金と同じくらい暗号通貨が普及するか否か?
・各国で暗号通貨が資産と認めれ、政治でも使用されるか否か?
こういった点が今後の重要な要素になると考えれます。
XLMの技術アドバイザーJeremy Rubin(ジャーミー・ルービン)氏の「ETHの資産価値はゼロになる」という意見に関して
Jeremy Rubin(ジャーミー・ルービン)氏の言い分のざっくりとした要約
現在、多くのトークンがつまりはプロジェクトがETHのブロックチェーンで実行されている。
そのいくつかは実需用を獲得できるだろう。
しかし、現状のETHはそのプラットフォームを使用しても手数料としてETHを使用しない方法が存在している。現にETHのブロックチェーンを使用しても、マイナーへの報酬としてトークンを使用する事が可能だ。
これの意味する所は、ETHのプラットフォームは必要性はあるが、その必要性がETHコインと結びついていない為、ETHの価格に反映されない事を意味する。
Jeremy Rubin(ジャーミー・ルービン)氏の言い分を理解する為に必要な基礎知識
ETHのホワイペーパーによれば、ETHはトークンとDappsと呼ばれるコンテンツが増える程に価値を上げるコインと言えます。
トークンは基となるブロックチェーンから生成されます。トークンを基に新たなトークンは生み出せません。
つまり、ETHはトークンを生み出すことのできるコインということです。
このトークンを生み出すことのできるタイプを
プラットフォーム(基盤の意味)コインと呼ばせて頂きます。上記画像ではプラットフォームブロックチェーンが該当します。ETHという基盤でETH系のトークンが生み出せるというニュアンスが分かりやすいかと思います。
プラットフォームコインから作られたトークンは送受信に基となったプラットフォームコインを手数料として使用します。
トークンを基に作られたDapps(コンテンツのような意味)の稼働には基本的にはトークンを使用しますが、トークンの使用にはプラットフォームコインを使用しないといけないので、トークンのDappsもプラットフォームコインを必要としてます。
プラットホームコインから作られたDappsの稼働もプラットフォームコインを手数料として使用する必要があります。
トークンを使用しなくてもDappsは作れます。
まとめると・・・
①トークンの使用
②トークンを基にしたDappsの稼働
③プラットフォームコインを基にしたDappsの稼働
この3つの用途でプラットフォームコインを取引所から購入することで高騰します。
以前掲載した記事より引用
https://cryptoboy.jp/ethereum-price-consideration/
Jeremy Rubin(ジャーミー・ルービン)氏の言いたい事まとめ
本来、プラットフォームコインは上記の基礎知識に記載されているように手数料という形で使用されることでその価値が反映される構想でした。しかし、現状のETHはそれが成り立たないとJeremy Rubin(ジャーミー・ルービン)氏は指摘しています。
vitalik(ヴィタリック)はJeremy Rubin(ジャーミー・ルービン)氏の指摘に同意。改善案があると発言
Vitalik(ヴィタリック)はこの意見に対して、現状のETHとしては適切な分析と同意しました。
しかしながら、これはシンプルに「ETHのブロックチェーンの使用に関してETHの使用を強制させる仕様に改善する」という風に改善すれば良い。そして、すでに改善案があるという発言を行いました。
2者の意見の考察
これに関しては、Vitalik(ヴィタリック)も同意していて、改善案があると発言していることから遅かれ早かれアップデートされるでしょう。しかし、ETHの価値がゼロになるという点に関しては他にも課題があると考えます。
現状、主にささやかれている懸念事項は2つです。
ETH自体の決済処理能力(スケーラビリティ)
ETH自体にトークン全体をマイニングして処理する能力がなければ、そもそも需要の拡大は広がらず価値が向上しません。
これには現状、ETHコミュニティはplasma(プラズマ)とSharding(シャーディング)の技術開発に取り組むことで改善しようとしています。
技術的に詳細は割愛させて頂きます。結果からいうとこの技術が実装された場合は、
15秒間に100万回=1秒間で約6666回
の処理能力を得る事が出来ます。
これはVISAやMasterカードといったクレジットカードの決済能力を超える速度です。
すなわち世界で通用しうる土台が出来上がることを意味します。
ETHの技術開発に関して以前掲載した記事
https://cryptoboy.jp/etherum-update-2018-06-28/
また、AION NETWORK(アイオンネットワーク)のように他のブロックチェーンの処理を助ける事に繋がるプロジェクトもあります。
AION NETWORK(アイオンネットワーク)に関して以前掲載した記事
https://cryptoboy.jp/aion/
ETH自体の技術開発と他コインのプロジェクトが同時進行に動いているので、スケーラビリティの課題に関しては、現状は解決できる見込みは割と高いと考えれらます。
token swap(トークンスワップ)の存在
token swap(トークンスワップ)とは、端的に言うと・・・
「基となるブロックチェーンを変更すること」です。
例としては、ETH系のトークンがNEO系のトークンになることができます。
これの意味することは、当初ETHではじめたプロジェクトも他のプラットフォームコインになることができるという事です。この場合は基となるブロックチェーンを変更したプロジェクトはコンテンツの稼働にETHでなく、変更した先のプラットフォームコインを使用することになります。
これに関して言うと、費用と時間がかかりますが企業の自由選択です。
ETHの今後の信用性とブランドが重要と言えるかと思います。
例えば、ETHはハッキングの際、ホワイトハッカーの活躍が目立ちます。
加えて、現状は最もポピュラーなプラットフォームコインである為、技術者が多いです。
さらに、EEA(Enterprise Ethereum Alliance)の創設・理事メンバーであるConsensys(コンセンシス)は新たなエンジニアの教育に積極的です。
Consensys(コンセンシス)のHP(ホームページ)
https://new.consensys.net/
技術者の多さは開発・研究の実行のしやすさであり、それはビジネスの実行のしやすさでもあります。
上記の項目は今後のETHの信用性とブランドに重要であると考えられます。
まとめると・・・
・ETHプラットフォームの使用に関する手数料の使用の強制化
・スケーラビリティの技術的課題解決
・ETHプラットフォームを継続して使用する信用性とブランド力の強化
こういった事がETHの価値を高める為に必要と考えられます。
ここまでのまとめ
・今後の暗号通貨市場の活性化にはこれまでのマーケティング戦略に頼ったものでなく、実需用に伴ったコンテンツが重要
・現金が本格的に暗号通貨市場に入るには市場ボリュームの大きな増加は暗号通貨が金融と公式で認められることが重要
・ETHの価値を上げていくには、需要拡大に耐えられるスケーラビリティ技術的課題の解決が必要
・ETHのプラットフォーム使用料にETHを使用させる強制化が必要
・ETHプラットフォームを継続して使用してもらう為にETHの信用性とブランド力を強化することが必要
これらの内容はあくまでも私の個人的に調査したものです。
ここに記載されてない項目も今後の重要な要素としてあがってくると考えるのが妥当です。
私は今回の記事が皆様の今後の活動のお役に少しでも立てれば幸いに思います。
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