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2017年6月からの分裂騒動。UASFが引き金で揉めた

2017/07/21

クリプトボーイ

クリプトボーイ

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今回の内容に目を通す前に事前に
「大枠で知るブロックチェーン」と
「コインが分裂?ハードフォークとソフトフォーク」を参照して頂ければと思います。
「ビットコインが最大4つに分裂する?!」こんな報道が目立ちました。
日本の取引所は一時停止を伝えたりと大きな騒ぎになりました。
でも、ビットコインの価格は大きくは下がりませんでした。
これはどういうことなのか?なるべく簡単に今回の騒動を考察し、お伝えさせて頂きます。
◆分裂騒動の流れと内容◆
今回の騒動はそもそもビットコインの性能のアップデートを巡ったものです。
ビットコインはアップデートの提案書が沢山用意されています。
その提案書の名称を「BIP」と言います。
アップデートが実行されるには、基本的には取引の承認者であるマイナーから必要数の承認率を得る必要があります。
承認率はBIPごとに異なります。
現在、ビットコインは急速に普及しています。
しかし、今後の普及に耐えられる性能ではないという課題を抱えています。
その課題の一つは「世界中の取引データをブロックで保存しきれない」というものです。
これの解決策は大きく分けて3つとされていました。
①ブロックを大きくする
②ブロックの中のデータを小さくする
③①と②の両方を実行する
2015年には②の方法であるsegwitが有望視されていました。
それはBIP141と呼ばれていました。
しかし、マイナーの電気代のコストが高くなるという課題がありました。
加えて、BIP141の必要承認率は95%です。
つまり、世界中のマイナーの95%が電気代が高くなっても良いと認めないと実行されないという事です。
これはとても困難な事であり、2017年になっても硬直状態が続きました。
segwitはマイナー以外の取引所や一派ユーザーからは支持されていました。
その為、強引に実行しようという動きがありました。
それが「UASF(ユーザー・アクティブ・ソフトフォーク)」です。
アップデートの実行をマイナー以外のユーザーの承認で実行しようとする試みです。
これが2017年の6月頃に話題になりました。
しかし、これは本来分裂しなくても良いアップデートが分裂し、その分裂の内容がとても危険であるとされていました。
 
簡単にいうと、「どこかのタイミング」で旧ブロック、つまりは旧ビットコインが消える可能性が高いというものです。
segwitは本来、ソフトフォークであり分裂の危険性は極めて低いものです。
しかし、BIP148はソフトフォークでありながら、BIP148の性能は「segwitを有していないブロックによって消されない」という機能を持ちます。
短くても消えないという事はいずれ長くなり、短い方である旧ビットコインを消してしまう可能性があります。
とても不安定な要因をはらんだリスクの高いアップデートです。
流石のマイナーもこれを嫌い代案を用意しました。それがUAHF(ユーザー・アクティブ・ハード・フォーク)です。
現在、これは実行が決まり、8月1日に予定されています。
これに伴い、bitcooin cashが生まれる予定です。
BIP148を嫌うのはマイナーだけではありません。他にsegwit2xという代案が出されました。
そして、7月23日に第1段であるソフトフォークが実行されました。
これにより、BIP148は実行されない事になりました。
BIP148の目的であるsegwitの実装が他の代案で実行される見込みが高いからです。
また、segwit2xの第2段のアップデートはブロックサイズを大きくするハードフォークであり、11月頃を予定しています。
まとめると、今回の分裂騒動はビットコインのアップデートの在り方を巡ったものであり、マイナーがsegwitを渋っていたのが原因です。
これに対してリスクを伴う強引な手段であるBIP148が提示され、いくつかの代案が出され「ビットコインが4つに分裂」という報道に繋がりました。
現在の所は収束に向かっており、8月1日のbitcoin cashが誕生して分裂はほぼ確定と考えられています。
11月頃のsegwit2xは現在の所は分裂はないとされています。
そして、内容もBIP148よりもリスクはないとされています。
しかし、有識者達の間でも良し悪しが分かれています。
世界で初めての暗号通貨であるビットコインの今回の騒動の決着も前例がありません。
今回の騒動は終わりという訳ではなく、価格に影響する要因が残っていると考えて今後の動向に注目していくのが良いと思います。

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