Facebookの幹部がコインベース取締役辞任 やはりFBは独自の仮想通貨を発行するのか?
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Facebookブロックチェーン部門の責任者デヴィッド・マーカス氏が、「ブロックチェーン研究グループに専念したい」という理由でコインベースの取締役を辞任した。一部のアナリストは「Facebookが独自の仮想通貨発行の準備を進めている」と推測している。
FBマーカス氏が辞任した理由
マーカス氏がコインベースの取締役に就任したのは2017年12月なので、まだ日が浅いのだが、同氏は退任の理由を以下のように説明した。
“Because of the new group I’m setting up at Facebook around Blockchain, I’ve decided it was appropriate for me to resign from the Coinbase board,” Marcus said in a statement (Bisiness Insider). ”
「Facebookで新たにブロックチェーンの研究グループを立ち上げるにあたり、コインベースを辞任することが適切だと判断した(ビジネスインサイダーより)」
最初にニュースを報じたコインデスクのスポークスマンは「利益相反を避けるため」とコメントしているが、要するにFacebookのブロックチェーン肩入れ度がマジになってきたので、「二足の草鞋は履けません」ということなのではないか?
「ステラ( ルーメン/XLM)」に接触?
マーカス氏の動きは、つい最近、Facebookが仮想通貨「ステラ( ルーメン/XLM)」を発行する暗号通貨決済スタートアップ、ステラと交渉をもったという報道とリンクする。Facebookが独自の仮想通貨決済ネットワークの構築を計画している可能性も考えられる。
マーク・ザッカーバーグCEOは今年の抱負に「仮想通貨の研究」を挙げていたし、ブロックチェーンを含む先端技術の研究を水面下で進めていた。
ブロックチェーン研究チームの設立に関しては今年5月に発表。元PayPalの社長で、Facebookでは「メッセンジャー」チームのマネージャーを務めたシリコンバレーのエクゼクティブ=マーカス氏のような強者を新たなチームに投入するということは、それだけ仮想通貨の利用を真剣に検討しているということなのだろう。元「Instagram」プロダクト部門責任者のケヴィン・ウェイル氏、トップエンジニアのジェームス・エバーリングハム氏、Facebookのシニアエンジニア、エヴァン・チェン氏などバックアップメンバーも凄い。
Facebookはブロックチェーン研究の意図を明らかにしていないが、一部のアナリストは「他社のように仮想通貨やトークンを発行する」とみている。
デジタル・アセット・リサーチのテクノロジー・リサーチ・ディレクター、ルーカス・ヌッツィ氏は、そうなるとマーカス氏が「Facebookの仮想通貨なりトークンなりを、コインベースに上場させようと働きかける可能性がでてくる」と指摘していた。確かに、例え本人が働きかけなくても上場したが最後、「利益相反」とバッシングを受けるだろう。
“Many in the community were aware Facebook was expanding their efforts in this area,” Nuzzi wrote in an email. “After Kik and Telegram started their tokenization campaign, it seemed like a matter of time until Facebook jumped on the bandwagon. (Bloomberg) ”
「Facebookがこの領域に関する研究を拡大しているのは周知の事実だ。Kikやテレグラムが独自のトークン発行キャンペーンを始めて以降、Facebookが同じ路線に行くのは時間の問題だった(ブルームバーグより)」
そんなわけで、やはりマーカス氏がコインベース退任→Facebook仮想通貨・トークン発行プロジェクト本格始動と受けとめるのが正解かもしれない。いずれにせよ要注目だ。
キキとは?
北米で大人気のメルアドだけで使えるメッセンジャー「キキ(Kik)」は、現在3億人以上のユーザーがいる。
「キン(Kin)」という仮想通貨を発行していて、メルカトックス(MERCATOX)に上場している。
テレグラムとは?
ロシア最大のSNS「VK」の創設者が立ち上げたサービスで、メッセージを暗号化して送信するというプライバシー重視のメッセージアプリ「テレグラム(https://telegram.org/)」。5月の集計によると、月間ユーザー数は2億人。
「史上最大規模になる」と期待されていたICOは、残念ながら5月にキャンセルされている。トークン名は「TON(Telegram Open Network)」になる予定だった。
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