「ライトニング・ネットワーク経由の送金は信頼性が低い」に猛反論
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地球のみなさん、こんばんは!
クリプトボーイです。
「ライトニング・ネットワーク経由の送金は信頼性が低い」という調査結果が発表され、ビットコイン開発者やライトニング側が猛反発している。
「ポケトシ(※)」にも対応コントローラーが付いていたり、LN対応のモバイルウォレットがリリースされたりしているが、まだまだ実用性は低いということなのか。
(※)ポケトシとは、ポルトガルのソフトウェアエンジニアJoãoAlmeidaが作成した、
任天堂ゲーム「ポケモン」をユーザーがLightning Network(LN)でプレイできるプラットフォーム。
懐疑派による脆弱点の指摘
セカンドレイヤーの決済プロトコル「ライトニング・ネットワーク(以下LN)」は、ビットコインのスケーラビリティ問題の解決策として設計されており、即時決済や低コスト送金、スケーラブルな当事者間取引を可能にすると言われている。
しかし仮想通貨関連情報の調査会社Diarの調査によると、期待されているほど強力な解決策ではないようだ。処理量が増えると問題が起きかねない脆弱点が、指摘されている。
現在のLNのノード数は2500以上、チャンネル数は7800。
各ノードには平均4チャンネル以上が開設されていて、キャパシティは平均20ドルだ。
But while the capacity and the number of nodes as well as channels are increasing steadily, the reliability of successfully routing a payment on the Lightning Network is still quite low, especially for larger amounts. The success rate for a payment for no more than a few dollars between random LN nodes is 70% …If only the nodes that have at least one channel with sufficient capacity to route the payment are considered, the probability of successfully routing the payment of less than $200 between random LN nodes is a mere 1%.
キャパシティやノード数、チャンネル数は増加したものの、特に大量取引の場合、LNの決済が正常に行われれる信頼性はかなり低い。送金が数ドル以下の場合の成功率は70%だが、少なくとも1つのチャネルを有するノードのみを考慮した場合、200ドルの送金が成功する確立はわずか1%だ。
Diarの調査が当たっている場合、LNは小銭送金しかまともに対応できないということになってしまう。
しかし「アトミック・マルチパス・ペイメント(AMP)」という、実現したら凄いことになる(多分)対処法が提案されているので、この辺りの問題は将来的にクリアできそうか?
「オフラインでしか決済できない」は欠点?
LNは当事者同士がオンライン状態でないと取引できない。
Diarはこれを「LNに対する批判のひとつ」として、
「より多額の取引を実行するには、常にオンライン状態で流動性が十分にある相手とチャンネルを開設する方が便利」と指摘している。
The lack of liquidity between nodes, and the online factor, has led to the concentration of capacity to only a few large nodes.
ノード間の流動性の欠如とオフラインで送金できないというシステムは、少数の大規模なノードへの集中化を招く。
Ten of the largest LN nodes (0.4% of total nodes) currently have 53% of the network’s capacity while the remaining 2,500 nodes have 47% (see table).
LNの最大ノード10個(全体の0.4%)がネットワークの53%、残りのノード2500個が53%を占めている。
批判に対する反論
Diarの批判に対し、ビットコインのコア開発者のピーター・トッド氏やライトニング・ラボの共同設立者エリザベス・スターク氏は猛反論している。
スターク氏はコインテレグラフに「戯言を相手にしている暇はない」「よくあるFUD(不安・不確実・疑念)の一例として、ほとんど無視している」と語った。
トッド氏は「バカげている」と一喝。
大量の資金を失うリスクを軽減するために、取引回数の上限が10分間に4000回と決められている点を主張している。
The result is both predictable and desirable.
結果は予測可能で望ましいものだ。
ビットコインの中心開発者ヨナス・シュネリー氏も、現在のLNはあくまでベータ版で、開発者が常にセキュリティー上のリスクを考慮し、ユーザーに大量のチャンネルを開かないよう、警告してきた事実を強調している。
“In my opinion, lightning is very reliable. Channel amounts will slowly increase as confidence rises. That article above is misleading since it hides that fact the developers have asked for small amounts to be used.”
「個人的にはLNは非常に信頼できると思っている。信用を得るにつれチャンネル数も増えていくだろう。(Diarの)記事は、LNの開発者が小規模な取引をユーザーに要求しているという事実を隠しているため、誤解を招く」
懐疑派と支持派による論争の行方が気になるところだが、AMPなどの解決策を用いてどう対処していくかがカギとなりそうだ。
LNのチャンネルとは?
オフチェーンで送金が行える「ペイメント・チャンネル」のこと。
送金をする2者間限定のチャンネルで、ほかの人と取引したい場合は、新たにチャンネルを開設する必要がある。
アトミック・マルチパス・ペイメント(AMP)とは?
LNの向上のために提案されているプロトコル。プライバシーの向上やコスト削減に役立つと期待されている。
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