「人民元建てBTC取引シェア、1%以下に縮小」中国禁止措置の効果絶大？

地球のみなさん、こんばんは！
クリプトボーイです。

「人民元建てのBTC取引シェアが国際市場全体の1%以下に縮小した」と、中国人民銀行が発表したそうだ。

規制強化前は90%を占める勢いだったというから、中国政府の規制強化効果、恐るべし！というしかない。

果たして中国は「世界最大の仮想通貨市場」から、完全に撤退するのだろうか。

中国国内市場縮小の要因＝政府の規制強化

Bitcoin.comによると、中国人民銀行の発表を最初に報じたのは中国メディア新華社だ。新華社いわく、「ピーク時には人民元/BTCの取引が市場全体の90%を占めていた」というが、残念ながらそれを立証するためのデータは掲載されていない。

急激な縮小は、中国政府による厳格な規制強化の影響とみて間違いなさそうだ。

昨年9月に中国国内での人民元建ての仮想通貨取引やICOが禁止されて以降、バイナンスやOKコインを含む仮想通貨事業が、続々と規制のゆるい国外へと拠点を移している。

In its announcement, The People’s Bank of China said the country had ensured a “zero-risk exit for 88 virtual currency exchanges and 85 ICO trading platforms,” since last year.
中国人民銀行は発表の中で、昨年から「88の仮想通貨取引所および85のICOトレーディング・プラットフォームを排除した」と述べている。

早い話が、多数の仮想通貨取引所とICOが、中国での活動休止や国外移転に追い込まれたということだ。

追い詰める中国政府と規制強化支持派

中国政府の「徹底的につぶすぞ！」という意気込みは、今年に入ってからも衰えていない。

サウス・チャイナ・モーニング・ポストは2月 、中国の主要検索エンジンとソーシャル・メディア・プラットフォームが、仮想通貨関連の広告やスポンサー付きの投稿の表示を廃止したと報じている（bitcoin.comの報道）。

中国の世界最大の仮想通貨市場からの撤退を、歓迎する意見も聞かれる。

例えば中鈔信用卡産業発展有限公司（Zhongchao Credit Card Industry Development Company）のブロックチェーン・アナリスト、ジャン・グイ・フェヌ氏は、以下のように息巻いている。

“The timely moves by regulators effectively fended off the impact of sharp ups and downs in virtual currency prices and led the global regulatory trend.”
「規制当局によるタイムリーな動きは、実質的な通貨価格の急激な上昇と下降の影響を効果的に抑制し、国際的な規制動向を促した」

また、中関村インターネット金融機関（Zhongguancun Internet Finance Institute） の研究部長グオ・ダジヒ氏は、自国の仮想通貨市場の縮小について、「規制強化政策が成功したということだ」とコメントしている（中関村＝ちゅうかんそん、中国・北京市海淀区の一角。中国のシリコンバレーともいわれる）。

確かに表向きは、そして今のところは、政府の狙い通りの効果を上げているということになるのだろう。

しかし法の抜け道が完全に封鎖されたわけではなく、リスクに怯えながらも闇では取引が続けられているのではないか、という気がする。

中国政府VS中国の仮想通貨投資家の熱い戦いは、まだまだ続きそうな気配ではあるが、最近は一部で「規制を緩和する可能性」についても報じられている。

その辺りに、わずかながらも希望の光が一筋といったところか。

中国人民銀行とは？

1948年に設立された中国の中央銀行。1949～1983年までは、中央銀行と市中銀行の両方の役割を果たす、中国唯一の銀行だった。1995年の中国人民銀行法制定により、現在は中央銀行として法的根拠が与えられている。

中国政府がBTCを嫌うワケ＝資本流出とインフラ崩壊

主な理由は、「資本流出の懸念」と「金融インフラ崩壊のリスク」だろう。規制以前は中国の投資家がこっそり資産を国外へ移す手段として、ビットコインが頻繁に利用されていた。

また「国有資本による独占状態」といわれる中国の金融インフラが、仮想通貨の出現で崩壊するリスクも回避したかったはずだ。