リップルCEO「ビットコインは中国に支配されている」発言の真相
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地球のみなさん、こんばんは!
クリプトボーイです。
リップルのブラッド・ガーリングハウスCEO が「ビットコインは中国に支配されている」と発言。このままでは仮想通貨産業が中国に支配される!と警鐘を鳴らしているが、XRPを持ち上げる意図のバッシングと受け取れないこともない。
CNNの報道から、ガーリングハウスCEOの真意を探ってみよう。
中国ビットコイン支配説
ガーリングハウスCEOは、ボストンで6月12・13日に開催されていたカンファレンスで「中国ビットコイン支配説」について語った。報じたのは金融メディアのザ・ストリートだ。
“I’ll tell you another story that is underreported, but worth paying attention to. Bitcoin is really controlled by China. There are four miners in China that control over 50% of Bitcoin”
「あまり報道されていないが、気をつけたほうがいい話をしよう。ビットコインが中国にコントロールされているのは間違いない。中国の4人のマイナーがビットコインの50%を支配している」
ごく少数派の中国マイナーがビットコイン(BTC)を支配していることは以前から報じられていたので、目新しい事実ではない。ガーリングハウスCEOが警告しているのは、その事実がもたらすかもしれない「ビットコインの未来」だ。
“How do we know that China won’t intervene? How many countries want to use a Chinese-controlled currency? It’s just not going to happen.”
「中国が将来的に介入しないと誰がいい切れる?中国が支配する通貨を使いたい国なんてあるだろうか?」
同氏は6月初旬にもCNBCの取材で、「ビットコインは国際的通貨にはなれない」「ビットコインは万能薬ではない」などと発言して注目を浴びた。
数々のネガティブ発言の真意
これだけだとガーリングハウスCEOはアンチ・ビットコイン派なのか?と勘違いしかねないが、CNNいわく、同氏は自分もビットコインに投資しているらしい。
数々のネガティブな発言は、どうやら「リップル(XRP)はビットコインよりずっと凄いし、次元が違う!」という点を強調する意図があるようだ。
ちょっとしつこいのでは?と感じさせる一連のガーリングハウスCEO発言から、「最近の仮想通貨市場低迷を、ライバルコインの足を引っ張る機会として利用している」とCNNは深読みしている。
まったくお門違いの推測ではないだろう。リップルにとってビットコインは目の上のたんこぶ的存在だ。XRPは時価総額ランキングで3位だが、BTCが1位に居座り続ける限り、首位には這い上がれない。真ん中にはイーサリアム(ETH)も挟まっているが、とりあえず王者から蹴散らしたいといったところか。
XRPはBTCよりビッグになれるのか?
「XRPはBTCよりビッグになる」と予想する専門家は多いが、果たしてその可能性はあるのか?6月14日現在のコインマーケット・キャップのデータをみる限り、実現の道のりは厳しそうだ。
時価総額:
BTC 1116億ドル
ETH 497億ドル
XRP 212億
1枚当たりの価格:
BTC 6529.57ドル
ETH 496.54ドル
XRP 0.541067ドル
市場に出回っている数は392億 4530万XRPと、BTC(1710万枚)やETH(1億枚)と桁違いだが、数を発行すればいいというものではない。
リップルは既に着々と大手金融機関との提携を広めているが、米大手仮想通貨取引所であるコインベースやジェミニに上場を拒否されまっている。匿名の関係者の証言によると、「現金100万円を払う」と打診されてもジェミニは首をたてに振らなかったとか。「銀行には好かれるが、仮想通貨取引所には嫌われる」コインなのかもしれない。
By dangling money in front of exchanges, Ripple signaled that its future success hinges in part on getting XRP listed on the top trading venues(Bloomberg).
仮想通貨取引所に現金をチラつかせたことは、XRPの将来的な成功が大手仮想通貨取引所への上場にかかっていることを示唆している(ブルームバーグ)。
“Providing easy liquidity through Coinbase alone will attract new interest in XRP.(Forbes)”
「コインベースに上場できれば、より多くの投資家がXRPに興味を抱くだろう(フォーブス)」
大手仮想通貨取引所によるボイコットに加え、リップルは証券化問題も抱えている。XRPが証券として認定されると証券取引法に従うことが義務づけられるので、どっちみち仮想通貨取引所では取引できなくなる。
このあたりの背景も、コインベースやジェミニに敬遠される理由だろう。また自社で大量のXRPを保有している=価格操作しやすいと疑われているようだ。
ビットコインの上げ足を取っている暇があったら、自社の問題解決に専念した方がいいかもしれない。
リップル証券化問題
複数の投資家が国際法律事務所を通し、「XRPは証券だ」と訴えた。抗争は現在も、カリフォルニア州北部地区連邦地裁で続いている。米商品先物取引委員会が「XRPとETHは未登録証券」と発言するなど、リップルは不利な立場にある。同社は米証券取引委員会の元委員長や元執行局長を弁護士にたてるなど、何としてでも証券化を回避しようと必死だ。
コインベースとジェミニ
コインベースは米国最大規模の仮想通貨取引所。日本進出も決定していて、三菱UFJフィナンシャル・グループと提携関係を結び、日本市場開拓を目指す。
ジェミニはFacebook裁判で一躍注目を浴びた、ウィンクルボス兄弟が立ち上げた仮想通貨取引所。米証券取引所ナスダックと提携している。
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