Facebookが独自の暗号通貨実験中?ブロックチェーン研究チームも設立
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地球のみなさん、こんばんは!
クリプトボーイです。
Facebookが独自の暗号通貨を実験中!という報道が飛びこんできた。ブロックチェーン研究チームを立ち上げたり、マーク・ザッカーバーグCEOが仮想通貨の研究を2018年の課題に挙げるなど、可能性については報じられていた。
CNNの報道から真相を探ってみよう。
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事情に詳しい関係者の話
最初に報じたのは、金融ニュースサイト「チェダー(Cheddar)」だ。事情に詳しい複数の関係者から情報を仕入れたシニアレポーターのアレックス・ヒース氏は、Facebookが独自の仮想通貨発行に向け、かなり真剣に深い議論を繰り広げていると述べている。
“Sources say that Facebook is specifically interested in creating its own digital token, which would allow its more than two billion users to facilitate transactions without government-backed currency. Facebook is also looking at other ways that it could use this core blockchain technology that underpins these popular cryptocurrencies like bitcoin and ethereum.”
「情報提供者いわく、Facebookは特に独自のデジタルトークンの開発に関心を示している。20億人を超えるユーザーが法定通貨を利用することなく、送金を行える手段だ。同社は、ビットコインやイーサリアムといった人気の仮想通貨の基盤となる、中核的なブロックチェーン技術をほかの目的で利用する手段も模索中だ」
また、ブロックチェーン技術を身元確認の向上に役立て、バックエンドのインフラの安定化を図る試みも視野にいれているという。おそらくユーザーのデータの管理法なども、これに含まれるのではないか。
PayPal元社長率いるブロックチェーン研究チーム
Facebookが5月上旬、ブロックチェーン研究チームの立ち上げを発表したことは、CNNが報じていた。チームリーダーはコインベースの役員でもあるデヴィッド・マーカス氏だ。PayPalの社長を務めていたこともある人物で、新チームのためにそれまで率いていたメッセンジャー部門を後任者に引き渡したというから、かなりの気合の入り方である。
数十人しかメンバーのいない小規模なチームだが、Instagramエンジニアリング部門のヴァイスプレジデント、ジェームズ・エバーエンガム氏や、同じくInstagramプロダクト部門のヴァイスプレジデント、ケヴィン・ウェイル氏など、なかなか豪華な顔ぶれなのだ。
デジタル決済市場を知り尽くしているマーカス氏は、Facebookの仮想通貨実験にはもってこいの人物だろう。しかしCNNは、Facebookが本格的に仮想通貨の発行に向けて動き出す場合、仮想通貨関連のスタートアップを買収するのではないかとみている。
The venture would likely see Facebook make “strategic acquisitions” in the cryptocurrency industry as it seeks to build out its blockchain infrastructure.
ブロックチェーン・インフラを構築するために、Facebookは仮想通貨産業で「戦略的買収」を行うだろう。
InstagramやKarma、WhatsAppなど、これまで精力的にスタートアップを買収してきたのだから、CNNの予測が的中する可能性は極めて高い。
FacebookはICOをしない?
新たな仮想通貨=ICOという図式が確立されつつあるが、ヒース氏はFacebookがICOを実施する可能性を、2つの理由から否定している。
1.Facebookの現金保有高が何十億ドルにものぼること=資金調達の必要がない
2.データ不正共有スキャンダルなどで既に評判がガタ落ちのFacebookに、トークン販売がネガティブな効果をもたらしかねないこと=下手をすれば信用をさらに下げる結果になる
Instead, the firm may airdrop the coins to its users or reward it to them in some other manner.
代わりに、エアドロップを通すなどの手段で、ユーザーにコインを提供するかもしれない。
Facebookから正式なコメントは発表されていないが、ヒース氏経由の情報はかなり真相に近い位置にあるのではないだろうか。Facebookの広報部はIT・科学メディア「Futurism」 に 、「Facebookのような巨大SNSと仮想通貨をリンクさせるという発想は興味深い」と、非公式にコメントしている。
独自の仮想通貨発行に向け動き出すSNS
独自の仮想通貨発行を検討しているSNSは、Facebookだけではない。テレグラムは第3世代ブロックチェーン「テレグラム・オープン・ネットワーク」の提供に向け、ICOで17億ドルを調達を調達。チャットアプリ「Kik」は、ブロックチェーン・トークン「Kin」を開発中だ。
ザッカーバーグCEOの「2018年の抱負」
マーク・ザッカーバーグCEOは2018年の抱負として、「ブロックチェーン技術の研究」を挙げていた。この前後から、Facebookが独自の仮想通貨を発行するのではないかという推測がもち上がっていた。
Facebookは1月、仮想通貨の広告禁止を発表したが、これはあくまで「広告の誠実性とセキュリティーを改善するための努力の一環(プロダクト・マネージメント・ディレクター談)」であり、それとこれは別--といったところか。
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