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テザー、2.5億ドル相当のトークンを新規発行「詐欺批判」の行方

2018/05/31

クリプトボーイ

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テザー、2.5億ドル相当のトークンを新規発行「詐欺批判」の行方

地球のみなさん、こんばんは!
クリプトボーイです。

5月18日、新たに2.5億枚ドル相当のUSDTトークンを発行したテザー(Tether)に対し、「詐欺」「仮想通貨の価格を操作するための茶番劇」といった批判が飛び交っている。ビットフィネックスは法的な手段を盾にとり、露骨な批判を封じ込める戦略にでそうだ。

テザー懐疑派の攻撃「テザーは詐欺」

Tether is the company that issues the so-called stablecoins USDT, which it claims are backed at 1:1 ratio by US dollars.
テザーは1:1で米ドルに裏付けされた、ステーブルコイン「USDT」と呼ばれる仮想通貨を発行している企業だ。

「米ドルで裏付けされている」という点を売りにしているが、「本当にちゃんと裏付けされているのか」となると信憑性を欠くというのだ。

そこで監査法人フリードマンが監査に入るわけだが、2018年1月、正式な監査が実施される前に、両社の関係は消滅してしまった。この一件で疑惑騒動の火蓋が切って落とされる。ビットコインやイーサリアムの価格を押し上げる目的で、テザーが裏付けのないトークンを大量に発行しているのではないか--と一部の仮想通貨サポーターが疑っているのだ。

テザーは2018年だけでも、2月に8600万ユーロ相当のユーロ建てトークンEURT、6110万ドル相当のUSDT、さらに3月に3億ドル相当のUSDTをイーサリアムのブロックチェーン上で発行している。

テザー懐疑派の匿名ブロガーBitfinex’edはTwetterで、あからさまな批判を繰り広げた。

“$300,000,000 NEW TETHERS IN ONE DAY.
The largest grant of fraudulent and unaudited Tether tokens in history. Oh look, Bitcoin jumped up big time today.What a f****** surprise. First new Tethers since they fired their auditor.
”批判派のたった1日で3億ドル相当のテザーを新たに発行。
未監査でペテン師のテザートークン史上最大の助成金だ。ほら、ビットコインの価格が跳ね上がってるぞ。これは驚いたね。監査会社(フリードマン)を解雇して以来、初めての新規テザー(トークン)だ。”

確かに3億ドル相当のUSDTがリリースされた途端、ビットコイン(BTC)の価格が上がり、24時間で6%増の9070ドルに達した。また今回の2.5億ドル相当の発行1時間以内に、BTCの価格は120ドル、ETHの価格は10ドルの上昇をみせた。

ビットフィネックスの反撃「法的権利を主張」

こうした疑惑の背景には、テザーとその姉妹会社である仮想通貨取引所ビットフィネックス(BitFinex)の密接な関係がある。ビットフィネックスは取引量で世界5位だ。

ビットフィネックスはBitfinex’edを含む露骨な批判者に対して、法的措置を辞さない構えである。同社の顧問は2017年12月の時点で、以下のようなコメントを発表している。

“To date, every claim made by these bad actors has been patently false and made simply to agitate the cryptocurrency ecosystem. As a result, Bitfinex has decided to assert all of its legal rights and remedies against this agitator and his associates.”
「これらの三流俳優(=批判者)が今日まで行ってきた主張は明らかに虚言であり、仮想通貨のエコシステムを混乱させる悪意に基づくものだ。我が社はこれらの扇動者とその仲間に対し、あらゆる法的権利を主張すると決めた」

Bitfinex’edは既にDCワシントンの弁護士を雇ったと、3月に報じられている。

発行トークン分の資金はあるのか?

両サイドの紛争はさて置き、テザーは本当に発行トークンすべてを裏付けるだけの十分な資金があるのだろうか。

仮想通貨取引所ビットメックス・リサーチ(Bitmex Research)が2月に発表したレポートによると、「プエルトリコ銀行に十分な資金を預けている」可能性はあるようだ。例えそうであったとしても、KYC(顧客の身元確認)とAML(アンチマネーランドリー)対策を再編成しない限り、強制閉鎖の危険性も考えられる。

現在はテザーが独占状態のステーブルコイン市場だが、ゴールドマンが出資するサークル、TrueUSD、ベーシス(Basis)などが独自のステーブルコイン発行で参入を狙っている。

ステーブルコインとは?

ビットコインやイーサリアムは価格変動の激しさが、広範囲での普及のハードルとなっている。「給与をBTCで受け取ったら翌日には20%下落していた」というのでは、労働者の生活が成り立たない。

ステーブルコインは一定期間、価格や価値の安定を狙って設計されており、価格変動も極めて低い。法的通貨の安定性と仮想通貨の非中央集権化・安全性をドッキングさせた通貨の位置づけを狙っている。

テザーとは?

ビットフィネックスのCFOジャンカルロ・デヴァシーニ氏とCSOのフィリップ・ポッター氏が2014年、香港で立ち上げたスタートアップ。

テザー、2.5億ドル相当のトークンを新規発行「詐欺批判」の行方

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