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「ビットコインは弾けないバブル」?ノーベル賞受賞経済学者の見解

2018/04/28

クリプトボーイ

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「ビットコインは弾けないバブル」?ノーベル賞受賞経済学者の見解

地球のみなさん、こんばんは!
クリプトボーイです。

ノーベル賞を受賞した米経済学者ロバート・シラー教授が
最新のCNBCの取材で、ビットコインを「弾けないバブルのようなもの」と表現した。

先日までシラー教授は一貫して、ビットコインに否定的な見解を示してきたが、
なぜ態度を変えたのだろうか?

 

「聡明な人々も投資する」ビットコイン

“I’m interested in [B]itcoin as a sort of bubble. It doesn’t mean that it will disappear, that it’ll burst forever. It may be with us for a while.(finTEKNEWS)”
「ビットコインはバブルのような対象として興味がある。消え去る、あるいはバブルが永遠に弾けるという意味ではなく、当面は市場に出回っているかもしれない(finTEKNEWS)」

シラー教授の周囲には、
仮想通貨に投資している「聡明な人々(生徒も含む)」もいるそうで、
仮想通貨投資の魅力は、「コンピュータサイエンス学部では説明できない。もっと心理的なもの」
と分析している。

このインタビューをみたfinTEKNEWSのマネージング・エディター、ビル・テイラー氏は、
シラー教授がいわんとしていることを以下のように捉えている。

he muses that bitcoin (cryptos in general) is, in part, a fad and human nature jumps on fads until…………well, the fad ends. And those silly fads can go on for a very long time. Like automobiles, flying machines, the internet and such which are still “fading”.
ビットコインとはある程度流行であり、流行が終わるまで流行に飛びつくという人間性をシラー教授は熟考している。そして例えば自動車や空飛ぶマシーンやインターネットように、この馬鹿げた流行が長い間続くことも考えられる。

 

世界最古の金融バブル「チューリップバブル」と比較

シラー教授の過去の発言を振り返ってみると、
経済学者としての見解に興味深い変化がうかがわれる。
同教授はつい最近まで、かたくなにビットコインの継続性を否定していた。

2018年1月CNBCのインタビューでは、
「ビットコインは1640年に起きた、オランダのチューリップバブルを彷彿させる」と発言している。

” and so the question is did that collapse? We still pay for tulips even now and sometimes they get expensive. (Bitcoin) might totally collapse and be forgotten and I think that’s a good likely outcome but it could linger on for a good long time, it could be here in 100 years.”
「そこで問題となるのは、バブルが崩壊するのか―という点だ。我々はいまだにチューリップ(投資商品)に投資しており、時にそれは高くつく。私はビットコインが完全に崩壊すると予測しているが、もしかすると100年ぐらい持ちこたえるかもしれない」

チューリップバブルとは1640年に起きた世界最古の金融バブルである。
フランスからオランダにわたったチューリップの球根を一般市民が買い求め、
そこから転売による球根バブルが始まった。

シラー教授はビットコインと球根を投資商品と需要の高騰にみたてて、
それに飛びつく人間性を皮肉ったのだ。

しかしこれに対しては反論も聞かれる。
ビットコインは発行数が限られているのに対し、
チューリップ・バブルは、供給側が市場に出回る球根の量を意図的に抑えた結果価格が高騰した結果で、
球根自体は希少なものではなかった。また後者は決済手段とはなんの関連性がなかった。

Comparing Bitcoin to a tulip mania also makes no real sense(NEWSBTC).
「ビットコインとチューリップ・マニアを比較するのは無理がある(ニュースBTC)」

Bitcoin does tend to become cheaper and more expensive during certain times. This is the true nature of any financial asset(NEWSBTC).
「ビットコインの価格が上下するのも、金融資産としての本質(であることを示している)(ニュースBTC)」

 

ゴールドと比較

シラー教授はビットコインをゴールド(金)とも比較している。

“It has no value at all unless there is some common consensus that it has value. Other things like gold would at least have some value if people didn’t see it as an investment,”
価値のある共通の合意がない限り、ビットコインには価値がない。少なくともゴールドのような資産には、人間が投資(対象)としての価値をみいださない限り、なんらかの価値はある。

現在は安全資産として定着したゴールドだが、昔は通貨と同じ役割を担っていた。衣食住の費用をゴールドで支払うこともできたし、金貨も普及していた―というのがシラー教授の主張である。

これに対する反論はこうだ。

To this date, it is still considered to be a payment option, albeit it’s a lot less popular. Gold is mainly a store of value, and it is possible Bitcoin will head in the same direction(NEWSBTC).
現在もゴールドは支払い手段の一種とみなされている。ただ利用される機会は大幅に減った。ゴールドは主に価値の蓄蔵であり、ビットコインが同じ方向に進む可能性も考えられる(ニュースBTC)。

価値の蓄蔵とは、商品やサービスを購入せず、お金を蓄えてる紙幣価値のことだ。使わずに蓄えておくことで、将来に備えてお金の価値を貯めるという発想である。したがって「ビットコイン無価値という結果にはならない」と、ニュースBTCは反論している。

 

「本当にかしこいアイデア」

しかしシラー教授の見解は急激に軟化する。
1月26日に参加した世界経済フォーラムでは、
「ビットコインは本当にかしこいアイデアのひとつであり、興味深い実験だ」との見解を示した。

“but it’s not a permanent feature of our lives. We are over-emphasizing bitcoin, we should broaden it out to blockchain, which will have other applications.”
しかしそれは人間の生命の恒久的な特徴ではない。我々はビットコインを過度に強調しているが、ほかのアプリに活用できるブロックチェーンに視野を広げるべきだ」

CME グループやシカゴ・オプション取引所といった大手デリバティブまでが
ビットコイン取引を始めた今、
シラー教授が興味深く見守っている「バブル」がますます巨大化する可能性が高い。

“Financial theory says that if something is not shortable then it can be taken over by enthusiasts, and the doubters can no longer have an adequate way of vetting against,” he said.
「金融理論によると、分類できないものに愛好家は熱狂する。そして懐疑家は疑念を唱えるすべを失う」

そして大手のビットコイン市場参入が、「ビットコインをより安定したものへと導くかもしれない」と述べている。

 

ロバート・シラー教授はどんな人物?

イェール大学教授で、2013年にノーベル経済学賞を受賞した金融経済学・行動経済学の権威。
ITバブル崩壊やサブプライム危機に警鐘を鳴らしたことでも知られている。
著作に『投機バブル 根拠なき熱狂』『それでも金融はすばらしい』
『バブルの正しい防ぎ方』『新しい金融秩序』などがある。

 

大手デリバティブの仮想通貨市場参入

世界最大規模のデリバティブ取引所運営企業CMEグループと2017年12月、
シカゴ・マーカンタイル取引所にてビットコイン先物取引を始めると発表した。

同じ時期、シカゴ・オプション取引所も先物取引所での同様の取引開始を始めた。
先物取引でビットコインの流動性や透明性が高まれば、
より幅広い層の機関投資家の誘致効果があると期待されている、

「ビットコインは弾けないバブル」?ノーベル賞受賞経済学者の見解

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