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「実用的なデジタル資産は仮想通貨だけ」PwCエクゼクティブが分析

2018/08/07

クリプトボーイ

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地球のみなさん、こんばんは!
クリプトボーイです。

世界最大の会計事務所のひとつ、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)スイス支部のシニアマネージャー兼データ分析専門家、ローランド・シュタッドラー氏が、「現時点で実用的なデジタル資産は仮想通貨だけ」「BTC は長期的投資対象」などと発言した。

PwCのサイトやコインテレグラフの報道から、シュタッドラー氏の真意を探ってみよう。

 

3つの「デジタル資産」

ひと昔前まで「デジタル資産」というと、使用権のあるデジタル化された写真や動画、音声、文章などを意味することが多かったが、近年は仮想通貨やデジタルトークン、デジタル証券などもこれに加わった。

しかしシュタッドラー氏は「仮想通貨」という言葉に対し、「言葉通りの意味をもつ通貨は一握りしか存在しない」という理由で、「デジタル資産」と表現する方が正確だと主張している。

その上で、同氏は「デジタル資産」を以下3つのジャンルに分類。

1.仮想通貨
2.ユーティリティ・トークン
3.セキュリティ・トークン

シュタッドラー氏いわく、ビットコインのような通貨は決済手段と決済ネットワークの両面をもち、中央集権的機関の介入なしで使用できる。ユーティリティ・トークンはソフトウェアやサービスを利用するための「燃料」のようなもので、イーサリアムベースのスマートコントラクトがその例だ。

セキュリティトークンは、企業株やプロジェクトから生まれる(であろう)将来的利益に対する権利を保証するものだ。しかしセキュリティトークンは新規株式公開(IPO)と同じ規制要件に当てはまる可能性があるため、「厄介なことになりかねない」という。

シュタッドラー氏がBTCを重要視する理由

シュタッドラー氏はデジタル資産の定義を明確にした後、「3つのデジタル資産の中で実用性があるのは仮想通貨だけ」と主張。ビットコイン(BTC)を「支払いの手段やデジタルゴールドとして、投資家間で受け入れが拡大している長期投資」とみなしている。
“Technical stability plays a particularly important role. Priority is given to security and resistance to external influence through conservative technological development … With fees amounting to just a few pennies, Bitcoin can bring significant benefits in terms of costs in the field of international trade, where traditional payment transactions can incur very high transaction fees.”

「技術的安定性は特に重要な役割を果たす。(BTCは)安全性を優先し、保守的な技術開発による外的影響への耐久性がある。

従来は非常に取引手数料が高い国際決済だが、BTCはわずか数ペンスの取引手数料ですむという点で多大なる恩恵をもたらすことができる」

同氏は技術的・社会的・経済的な観点からBTCの重要性を強調しており、革命的な事業モデルの可能性にも期待している。

トークンは失敗する可能性が高い?

BTCにはポジティブなシュタッドラー氏だが、ユーティリティ・トークンやセキュリティ・トークンには慎重だ。

In this context the risk of failure is enormously high, even for above-the-board projects. Given the current hype surrounding blockchain technology, the proportion of confidence tricksters is likely to be significant.
たとえ誠実なプロジェクトであったとしても、(ユーティリティ・トークンやセキュリティ・トークンが)失敗する可能性は非常に高い。ブロックチェーン技術をとり巻く現在の虚像を目の当たりにすると、信用詐欺が横行していても不思議ではない。

ちなみにICOに関しては「手をだすな」と警告している。

大手コンサルだけに「ちょっとガチガチ正統派過ぎる分析かな?」という気がしないでもないが、それゆえに「なるほど」と納得できる面も多々ある。

PwCとブロックチェーン

世界4大監査法人(ビッグ4)のひとつで、ブロックチェーン技術の導入にも積極的。3月にはブロックチェーン監査サービスの開始を発表したほか、5月からは仮想通貨ヴィチェーン(VEN)と戦略的パートナーシップを組んでいる。

昨年はアリババやオーストラリア郵便公社などと提携し、「ブロックチェーン流通管理システム」の開発に着手すると発表した。

シュタッドラー氏はどんな人?

年齢不詳のエリートな容貌をもつシュタッドラー氏。

チューリッヒ応用科学大学でエンジニアリング、コミュニケーションシステム、情報学を学んだ後、アクセンチュアのシニアコンサルタントを務め、昨年PwCスイス支部のシニアコンサルタントとなった。

今年からキプロスのニコシア大学でデジタル通貨を勉強中だとか。

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