仮想通貨の億り方

世界初ビットコイン・サイドチェーン「リキッド・ネットワーク」の5つの特徴とは

2018/10/21

クリプトボーイ

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ビットコイン・サイドチェーン「リキッド・ネットワーク(Liquid Network)」が誕生した。

ビットコインマガジンの報道によると、ビットフィネックスやコルビット、ビットマックスなど23カ所の仮想通貨取引所が参加する、一大プロジェクトだ。

今回は「リキッド・ネットワーク」の特徴や「ライトニング・ネットワーク(LN)」との違い、サイドチェーンについて解説してみたい。

サイドチェーンの仕組みとメリット

「そもそもサイドチェーンって何?」という人のために、その仕組みを説明しておこう。

サイドチェーンとは、ブロックチェーンの機能拡張や処理速度の改善を目的とする技術のこと。

「親=メインのブロックチェーン」に「子=サイドのブロックチェーン」を引っ付け、メインチェーンとほかのブロックチェーンの間で、デジタルアセットや情報を安全に共有できるメカニズムといえる。必要に応じて元のブロックチェーンに戻すこともできる。「セカンドレイヤー」と呼ばれたりもする。

メインチェーンのユーザーがコインを送金先のアドレスに送信すると、コインはロックされ、ほかの場所で使えなくなる。トランザクションが完了すると、チェーン全体に承認が伝達され、セキュリティーを強化するための待機時間がある。その後、サイドチェーン上に送金されたコインと同等のコインがリリースされ、受けとる側のユーザーはそこにアクセスしてコインを受けとる――という仕組みにだ。

サイドチェーンを使用してビットコイン・プロトコルを拡張することで、メインチェーンは安全性や特殊性、健全性を維持しつつ、サイドチェーンのスムースな操作をサポートすることができる。

リキッド・ネットワークの5つの特徴

過去数年にわたりサイドチェーンの実装プロジェクトが進められてきたが、今回世界で初めてブロックストリーム(Blocktream)がこの技術を利用した「リキッド・ネットワーク」をローンチ。同社のサイトから、その特徴を見てみよう。

(1) 送金スピードアップ--ほぼ即時決済が可能

(2) 効率性アップ--複数の取引所に保管されている残高を減らすことで、資本効率を向上させることができる

(3) プライバシー強化--システム内で転送された金額を機密にする「コンフィデンシャル・トランザクション」という技術を採用しているので、ユーザーのプライバシーをより強力に保護してくれる

(4) 信頼性が極めて高い--リキッド・ソフトウェアは、テスト済みのビットコインコードベースを使用して構築されているので、高い信頼性を備えている

(5) ブロック間隔が一定--マイニングの代わりに署名付きブロックが使用されるため、ブロックは常に1分間隔

に流動性を与えるストロング・フェデレーション

リキッド・ネットワークには「ストロング・フェデレーション 」という技術が採用されている。アンカーチェーンとそのサイドチェーン間で相互にインセンティブを与えられたプロトコルアダプターとして機能し、サイドチェーンの進行をサポートすることが目的だ。

Whereas Bitcoin is secured by Proof of Work, assets on the Liquid blockchain are secured by a Strong Federation of trusted functionaries. This allows transaction on Liquid to reach a state of finality faster and more reliably than those on the Bitcoin blockchain(Blocktream).
ビットコインがプルーフ・オブ・ワーク(PoW)によって保護されているのに対し、リキッド・ブロックチェーン上の資産は、信頼できる機能を持つ「ストロング・フェデレーション(Strong Federation)」によって保護されてる。これにより、ビットコインのブロックチェーンよりも迅速かつ確実に、トランザクションを最終段階に到達させることができる(ブロックストリーム)。

リキッドサイドチェーンを利用したトランザクションはブロック内に含まれてから確定するので、ブロック署名のプロセスが原因で「チェーンの再編成」が起こるリスクがないし、トランザクションの延滞といったイライラもなくなる。

ライトニング・ネットワークとの違い

「ビットコイン関連の実装」ということで、ライトニング・ネットワーク(LN)と比較されることも少なくないようだが、両者の役割はまったく異なる

リキッド・ネットワーク……取引所、ブローカー、トレーダーの需要に対応するために設計されたもので、参加者間で大量のビットコインを迅速かつ機密に転送可能

ライトニング・ネットワーク……リンクされた「チャネルメンバー」とマーチャント間で、小額または小額の支払いを即時に転送できるように設計されている

つまりリキッドワークはLNのようにチャネル容量などの制約がないので大口送金にも利用できて、かつ安全性が高くて迅速な送金が実現するのだ。

9月28日にローンチされたばかりなのでまだまだ様子見段階だが、ビットコイン送金システムの向上に大活躍してくれそうだ。今後は多重署名ウォレット「グリーンアドレス(GreenAddress)」と統合したり、「リキッド・ウォレット」の新規ユーザーを確保しながら、レッジャーやテザーといったサードパーティーのハードウェアウォレットもサポートしていく予定らしい。

ブロックストリームとは 過去に1億ドル強調達

2014年カリフォルニアで設立されて以来、仮想通貨・ブロックチェーン関連技術の開発を行っている。実業家兼投資家のオースティン・ヒル氏を筆頭に、ビットコイン専門家のグレッグ・マクスウェル氏などが立ち上げた。過去3度の資金調達ラウンドで総額1億ドル強を獲得している。

ちなみに同社はLNの実装「C-Lightning」なども開発している。

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