Deloitte(デロイト)が考えるBlockchainが普及される為に必要な5つの課題

世界4大会計事務所に数えられるDeloitte(デロイト)は2016年にイスラエルのブロックチェーンスタートアップ企業を調査しています。
つまり、ブロックチェーン市場に強い関心を示し、取り組んでいるということです。
Deloitte(デロイト)は世界各国と事業を行っています。つまりは多くのリソース(情報や資金や経験)を保有しているということです。
この記事では、Deloitteが考えるブロックチェーン普及の課題を共有して行きたいと思います。

課題１：取引処理に時間がかかる

取引処理速度が遅いとブロックチェーンコンテンツのフリーズに繋がります。現状、ethereum(イーサリアム※以後ETH)をはじめとしたブロックチェーンはグローバルなニーズに対応する為の性能を備えていません。この事実はがブロックチェーンを主要コンテンツに適用できる技術として考えるのを避ける主な理由の1つとなります。

課題２：標準化の欠如

現状、多くのブロックチェーンプロジェクトが稼働して技術の研究と開発が進められています。これは結果として技術の混乱を招きます。成功したモデルが存在しない為、参考にならないからです。成功モデルが世に出て「ブロックチェーン開発、運用の基準」が認知される事が必要です。GitHub(プロジェクトの開発・研究の進捗が公開されているサイト)には6,500以上のアクティブなブロックチェーンプロジェクトがあり、そのほとんどは異なるプロトコル、コンセンサス、プライバシー対策、および異なるコーディング言語で書かれています。
つまりはこの現状を打破する為の「こうすれば良い」というやり方が認識されることが必要ということです。

課題３：ブロックチェーンアプリケーションの開発が複雑で費用が高い

ブロックチェーンエンジニアの不足は人件費の高さに繋がり、先に説明した技術の混乱は開発の手間を意味します。
一般消費者がブロックチェーンコンテンツを使用する為にはまず、開発されなければなりません。
開発の手間であるコストの高さと複雑さも大きな課題です。

課題４：規制が整っていない

現状も規制化報道が相次ぎ進んではいるのですが、スマートコントラクトと呼ばれるブロックチェーン技術で大きく期待されている技術の規制化も課題の一つとされています。

スマートコントラクトとは

ブロックチェーンのスマートコントラクトとは主に「契約の自動化」を指しています。
Facebookやスマホゲームといったコンテンツの管理は企業が人員を雇用して人件費を払い、人の手によって行われています。
人の手による不正はされてないという認識であり、実行されていないという証明ができないのが現状です。
これが不正がないことを証明できると期待されているのがスマートコントラクトです。
そのコンテンツの運営は自動プログラムで管理をされ、人の手による不正リスクが大幅に軽減されます。
そして、そのプログラムコードは公開されています。
第3者がチェックできるということです。

つまり、このスマートコントラクトで提供されているコンテンツにどのような規制が適切なのかを考えるのが課題ということです。

課題５：ブロックチェーン関連企業の協力関係が機能していない

多くのスタートアップ企業がブロックチェーンプロジェクトを進めています。
しかし、企業間での協力がまとまっていないものが多いのが現状です。
これは先に説明した技術の混乱を招きます。

ここまでのまとめ

取引処理の課題は多くのプロジェクトが平行して実行されています。
また、大幅な処理を可能にしたブロックチェーンも出始めています。
これらの状況からこの課題は解決に向けてポジティブであると言えるかと思います。

ブロックチェーンの標準化に関しては成功モデルの出現が重要でしょう。
そのモデルを参考に多くの人が真似てコンテンツを出すことも予想されます。

技術の混乱の可能性は企業間の提携やエンジニアの教育が重要です。

規制に関してはまずはコンテンツが出る事が先と考えています。
世に認知される。規制化される。
歴史を振り返れば、規制は後手に回ります。

ブロックチェーンコンテンツは一般的には認知されていませんが、徐々に出始めています。
成功モデルの出現、そして規制化。
これ以降に多くのコンテンツが世にあふれるというのが現状は妥当な予測と考えれるのではないでしょうか。

この記事が皆様のお役に少しでも立てれば幸いに思います。

※本記事の参考情報
https://cointelegraph.com/news/deloitte-outlines-five-major-obstacles-to-blockchains-mainstream-adoption