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システムエラーで1億円相当のコイン流出、韓国の暗号通貨取引所が返還要求

2018/05/05

クリプトボーイ

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システムエラーで1億円相当のコイン流出、韓国の暗号通貨取引所が返還要求

地球のみなさん、こんばんは!
クリプトボーイです。

韓国の暗号通貨取引所キャッシャーエスト(Cashierest)が、
内部システムエラーにより、
「ユーザーに要求された量の5倍以上のコインを引き渡してしまった」と
民事訴訟を盾にすみやかな返還を呼びかけている。

損失総額は10億ウォン(約1億 216万円)相当にのぼるというから、
うっかりエラーではすまないレベルだ。

一体なにをどう間違えたらこのような事態になるのか――。

ビットコイン・コムの報道から、原因や状況を探ってみよう

 

なぜ流出?事件の全ぼう

キャッシャーエストは4月20日、内部システムエラーが原因で、
「本来の5倍以上のコインが引きだされている」と主張した。

その一方で、一部のユーザーはコインが引きだせなかったという。

「Money Today」はこの騒ぎを以下のように報じている。

The amount of money that has been withdrawn [from Cashierest] is more than the amount that was intended to be sent to another virtual currency trading site. Currently, the trading site is asking investors to return the misdirected virtual currency.
(キャッシャーエストから)引きだされた金額は、本来ほかの暗号通貨取引サイトに送金されるはずだった金額の5倍以上にのぼる。現在、キャッシャーエストは投資家に誤って送られたコインを返還するよう求めている。

実際にどのようなパニックが起きていたのかというと……

An investor said that he moved cryptocurrency totalling 12 million won [~US$11,086] to Upbit, but the amount of 60 million won [~$55,400] was deposited.
キャッシャーエストからほかの韓国の暗号通貨取引所アップビット(Upbit)に1200万ウォン相当のコインを移したら、6000万ウォン相当に増えていた――と、ある投資家は証言している。

韓国のメディア、ビズ・ハンコックの報道によると、
引き出し不可能状態におちいったユーザーは、
「引き出し要求は完了したのに任意がキャンセルされ、コインがウォレットに戻ってきた」
「取引完了メッセージだけが送られてきて、実際の取引は行われていなかった。
コインはウォレットに戻されていた」などの引き出し不具合も報告されている。

キャッシャーエストの内部システムエラーに気付いたのは、カカオが出資するアップビットだ。アップビット側の取引完了システムにエラーが検知され、同日午後12時41分、コインを本来より多く受けとったと疑いのある口座からの引き出しを一時停止した。

キャッシャーエストは4時39分には、通常通りの運行に戻ったと通告したものの、ここで一件落着とはならない。

If you do not return it [coins obtained by error] within 24 hours, we will seek civil liabilities, and we will claim damages for the interest as long as it is delayed.
誤って送られたコインが24時間以内に返還されない場合、民事責任を求め、遅延利息を請求させて頂きます。

―という半ば脅しのおふれを自社サイトにだした。「失敗は新しい学びのチャンス」とポジティブに受けとめるには、10億ウォンはあまりにもネガティブ過ぎる金額である。

 

暗号通貨口座なしの運営が仇(あだ)に?

今回の騒動の原因となった「内部システムエラー」とはなんなのか。

キャッシャーエストはハッキングの可能性をきっぱりと否定しているが、
肝心のシステムエラーについては詳細を明らかにしていない。

取引所の関係者は、キャッシャーエストが仮想口座なしで運営している点を指摘している。
暗号通貨なしで取引を行う=取引所のスタッフが、
通貨と支払いが一致しているかどうかをマニュアルで確認しているということだ。
決済・送金システムでも人間によるミスが少なくないことは、
近年のAI・ロボットブームで立証済みだ。

こうしたアナログな手法が「大きな間違い」を引き起こしたのかもしれない。

キャッシャーエストは原因の究明に取り組むとする一方で、繰り返しコインの返還を求めている。

The damage amount was estimated to be around 1 billion won [~$924,000]…We are reviewing civil lawsuits and damages for members who do not intentionally return [the coins].
損害総額はおよそ10億ウォンと推定されています。コインを返還して下さらないお客様には、民事訴訟も視野に入れております。

この説が正しい場合、最初から暗号通貨口座を利用しておけば、
こんな大ごとにはならなかっただろう―と思ってしまうが、そこにはやむを得ない理由がある。

韓国では2018年1月以降、政府が「実名システム」を導入して以来、
銀行が仮想口座を開設し、大手仮想取引所と取引を行うという規制がかけられている。

そのため現在、韓国で暗号通貨をウォンで引き出せるのは、
ップビットを含む4つの取引所しかない。

ユーザーがコインをウォンに換金したいユーザーは、
これらの大手暗号通貨取引所にコインを移すというわけだ。

どう楽観的に推測しても、流出したコインを全て回収するのは無理だろう。
最終的な損害がどの程度になるのかは、人間の良心の呵責次第かもしれない。

4月27日現在、サイトにはアクセスできるが営業は一時停止状態に戻っている。

 

キャッシャーエストの未来は?

3月にサービスを始めたばかりの暗号通貨取引所だが、
初っ端から大きくつまづいたという印象は拭えない。

聯合ニュースによると、韓国ブロックチェーン協会にも加盟していないという。
韓国ブロックチェーン協会は健全性・透明性の高い暗号通貨取引を確立する意図で、
4月17日に自主規制の枠組みを発表した。
アップビットやビッサム、コインリンクなど23の暗号通貨取引所が、
この自主規制を導入することに同意している。

設立間もなく、情報が極端に少ないため判断しかねるが、事態の収拾にはまだまだ時間がかかりそうだ。

 

韓国で導入された「実名システム」

1月30日から導入された「実名システム」は、
銀行に義務づけられたKYC(口座開設時の顧客確認)とAML(マネーロンダリング対策)
を遵守するもの。

暗号通貨を悪用した金融犯罪やテロ資金活動を未然に防ぐ目的だ。
この規制により、韓国では匿名の暗号通貨取引が違法となった。

 

システムエラーで1億円相当のコイン流出、韓国の暗号通貨取引所が返還要求

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