ビットコインキャッシュのハードフォーク。ABC vs SVの現状。分裂当日の注意点の考察
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日本時間2018年11月16日にBitcoin cash(ビットコインキャッシュ※以後BCH)はアップデートを予定しています。
これにより、同年11月2日に急騰しています。今回のアップデートはBCHが分裂する可能性が高まっています。
取引所もBCHのアップデートに対応すると発表してきています。
この記事では現在の状況を整理し、アップデート当日に向けた注意点を考察していきたいと思います。
この記事のポイント
- ①BCHはABCとSVの2つのアップデートで揉めている
- ②コインは本当は分裂したくない
- ③リプレイアタック対策が講じられる時が正式な分裂と考えられる
- ④取引所毎の対応を想定すると注意点が見えてくる
BCHは本当は分裂したくない
仮想通貨はコイン毎に
今度の性能をどうするべきか?
どうやったらもっと必要とされるのか?
こういった事を話し合うコミュニティが存在しています。
BCHを支持しているコミュニティもこういった話し合いをしています。
今回、分裂の可能性が高まっているのは技術の仕様に関して意見が真っ向から対立している為です。
BCH自体も2017年8月にBitcoin(ビットコイン※以後BTC)から分裂して誕生したコインです。
コインの分裂で市場の価格が上がる方向で盛り上がるのは、おそらくは昨年の影響ではないかと思います。
BCHが誕生する直前のBTC価格は約30万円でした。
分裂後にBCH+BTCの価格が30万円を大きく上回りました。
結果として、BTCを保有していた人は持っているだけで、資産が増えるという状況になった訳です。
これにより
「コインの分裂は利益になる」
と、いったような印象が広がり今回盛り上がりを見せていると考えられます。
短期的には分裂は利益になるかもしれませんが、長期的にはどうでしょう?
例えばBCHが会社だったとします。
BCHを引っ張る影響力の強い人達が役員のような立場になります。
BCHには明確な社長はいません。
役員達が話し合いをしてBCHの計画は進んでいきます。
ビットコインキャッシュの今後の性能に関しての議論で
役員のABCさんとSVさんが真っ向から対立しました。
ビットコインキャッシュを支持する人達はどちらの意見がBCHにふさわしいかの選択をする必要があります。
あるいはどちらも選択しないという事も出来ます。
例えば、コミュニティを離れるといった行動です。
BCHという会社は仮想通貨市場で時価総額4位になっています。
これは大きい数字です。
この数字を保てているのが役員やそくれているコミュ支持をしてくれているコミュニティの力のおかげです。
コインの分裂=コミュニティの分裂
というは、以前の記事でお話させて頂いた通りです。
仮想通貨 ざっくりと理解するコインの分裂の基礎知識
https://cryptoboy.jp/cryptocurrency-division/
では、
会社を大きくしてくれた戦力が組織から抜ける
システムを支える人達の一部が組織から抜ける
こういった事態が発生した場合、第三者目線で
分裂後と分裂前はどちらの方が会社として価値があるでしょうか?
恐らくは、後者の分裂前と考える人がほとんどではないでしょうか?
もちろん、リストラといった不要な人材をカットするという考え方もあるあります。
しかし、仮想通貨市場は基本はスタートアップ組織です。
戦力やシステムを分断するよりも、今後の成功に必要なリソースを内部に保有して活用する方が基本的には良いはずです。
こういった理由から、本来は分裂をしない方がBCHそのものにはポジティブな訳です。
コミュニティの人達はそれを分かっているので、本来は分裂をしたくないと考えています。
SV派 VS ABC派
日本時間2018年11月16日に予定されている主なBCHのアップデートは2つです。
それが「ABC」と「SV」です。
このアップデート案がそのまま分裂後のコインの名称に適用されて
ビットコインキャッシュSV (※以後BCHSV)
ビットコインキャッシュABC(※以後BCHABC)
と呼ばれています。
世界大手の取引所の一つであるPoloniex(ポロニエクス)はアップデート後に発生するであろうコインの先物取引を開始しました。
その為、BCHABCとBCHSVの価格が出ています。
コインの価格の小数点を省略すると
BCHの価格が521ドル
BCHSVの価格が116ドル
BCHABCの価格が405ドル
ほぼ、BCHの価格=BCHSV+BCHABCとなっています。
これというはそれぞれのアップデート支持率が影響しています。
現状、BCHABCの価格の方がBCHSVより高いのは
「BCHABCが元々のBCHのアップデートとして良いだろう。だからBCHABCのアップデートをBCHと認識する」
と、考えている人が多いからです。
ですので、このままいくとBCHABCがBCHとして認識される可能性が高いと言えるかと思われます。
リプレイアタック対策がどうなるか
コインが分裂したとして
- ①BCHSV
- ②BCHABC
の2つになるとします。
リプレイアタックとは
①を送金すると同時に②が送金される。
反対に③を送金しても、①が同時に送金される。
このように、片方を操作するともう片方も勝手に操作されるような状態になります。
※以前、リプレイアタックに関して記載している記事はこちら
「仮想通貨 ビットコインキャッシュのハードフォークをサポートする企業達」
https://cryptoboy.jp/cryptocurrency-bch-hordfork/
BCHコミュニティは本来は分裂をしたくないと考えています。
しかし、リプレイアタック対策を講じるということは
BCHSVとBCHABCが独立して動くことが出来る
↓
コインの正式な分裂
と、いう状況に繋がります。
その為、現状はリプレイアタック対策を渋っているという状況です。
言い方を変えるとリプレイアタック対策を講じた時が正式に分裂したと言えるかなと思います。
入出金とトレードの開始は基本は別
現状、BCHコミュニティは本来は分裂したくないので、分裂するかどうかは確定していない。
でも、分裂する可能性が高まっている。
これが正確な言い方です。
先物取引を展開したpoloniexはBCHのアップデートに関与はしていません。
なので、リプレイアタックの対策にも関与していません。
取引所やWALLET(ウォレット)会社のいくつかはBCHのハードフォークに対応すると発表しています。
参考情報:https://cryptoboy.jp/cryptocurrency-bch-hordfork/
でも、リプレイアタック対策を講じるのはあくまでも、アップデートの提案元がやることです。
つまり、トレードサービスと入出金に関わるリプレイアタックの対応組織は別ということです。
そうすると下記のシナリオが想定できます。
-
- ①トレードは出来るけど入出金ができない
これは取引所毎に対応が異なると想定されます。
-
- ②コインの入出金が出来るようになったらトレードを開始する
これも取引所によって対応が異なると思われます。
- ③分裂コインを付与するけどトレードサービスは展開しない
- ④分裂コインを付与しないしトレードサービスも展開しない
例として、Poloniexは先物を展開しているので①が想定されます。
しかし、コインを付与する、つまり、分裂後の資産を顧客資産に反映させるという対応をいつ行うかは明確化されていません。
先物で展開しているトレードは付与に関係ないので、そのまま続くと考えれます。
しかし、分裂後のコインの売買となるとタイミングが明確化できません。
「他の取引所に比べて早く取引できる見込みがある」
と、いった所でしょうか。
先物取引を展開していない取引所は②、③、④の可能性があります。
多くの取引所は分裂によって発生したコインの付与に関しては正式な発表はしていません。
なので、BCHABCのアップデートに対応するというニュアンスが適用すると考えるのが妥当でしょう。
しかしながら、BCHSVの価格はPoloniexで100ドルを超えています。
取引所は顧客から預かっているBCHをWALLETで管理しているので、分裂した場合はそのコインが付与されます。
それを顧客に渡さないという事をした場合はクレームが来ると容易に想像ができるので、分裂したBCHSVを付与しないとも言い切れません。
その為、分裂したコインを付与しないと言い切っていない限りは②、③、④のどの対応になるか分からないのが状態です。
取引所の追加発表を待つなり、どう対応するのか直接問い合わせするといった行動が必要です。
ここまでのまとめ
BCHは本当は分裂したくないので、分裂の可能性が高まっているけどリプレイアタック対策を講じるか悩んでいる状態であると考えられます。
取引所はリプレイアタック対策を講じる事ができないので、トレードサービスや入出金の対応に困っている状態でしょう。
BCHや分裂後の入出金はリプレイアタック対策が講じられた後に実行するのが望ましいと言えます。
恐らく、多くの取引所が混乱するはずです。
また、
トレードサービスを展開している取引所
分裂後のコインの付与に関して発表している取引所
コインの付与に関して発表している取引所
これらの取引所毎に対応が異なる事が想定されるので
- ①トレードは出来るけど入出金ができない
- ②コインの入出金が出来るようになったらトレードを開始する
- ③分裂コインを付与するけどトレードサービスは展開しない
- ④分裂コインを付与しないしトレードサービスも展開しない
のどの対応になるのかの注意点を最低限考慮する必要があります。
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