テゾス、シリン……2017年巨額の資金調達したICOはどうなった?
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ICOが今思えば過熱状態だった2017年。「トップ5は全部制覇した」という人は、「唯一ICO時より価格が上がっているのはテゾス・トークンのみ」という過酷な現実に打ちひしがれているのではないだろうか。
気になる「あのICOは今?」を駆け足で紹介してみよう。
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ヒュンダイ・コイン(DAC)調達資金2.58億ドル
2017年11月27日から12月22日にかけて、2017年ICO最高額を調達したHDAC。ICO時は0.81ドルだったヒュンダイコイン(DAC)は、10月14日現在0.050ドルを下回っている。プロジェクトは、IoT向けの高セキュリティー・ブロックチェーン・プラットフォームを運営するというもの。
HDACのICOがひときわ注目を集めた最大の理由は、ヒュンダイグループとの関連性ではないか? といわれている。HDACを立ち上げたのはヒュンダイBS&C というIT企業なのだが、CEOのチャン・デソン氏はヒュンダイグループのCEOと血縁関係にある。
ICO当初は今後170年間という恐ろしく長い期間にわたり、最終的に120億HDACを発行する計画を発表していたが、あまりの価格の下落ぶりに恐れをなしたのか、9月21日、突然以下のような声明文を発表した。
However, regarding the current token economy and the mining ecosystem, we are examining different measures including block reward reduction. Before we proceed to the next step to develop specific methods, we would like to take a vote as below to receive and confirm the opinions of Hdac participants (hdactech.com).
現在のトークン経済とマイニング・エコシステムについて、ブロック報酬の削減など様々な対策を検討しています。特定の方法を開発する次のステップに進む前に、Hdac参加者の意見に耳を傾け、確認するために、ブロック報酬の削減 の賛否を問う投票を実施したいと考えています(HDACテック・コム)。
投票期間は2018年09月21日17:00~10月11日23:59まで。投票には0.01HDACの手数料が発生する。
価値の押し上げを狙った動きであることは間違いないが、この投票結果で今後どのような動きがでるかが、HDACの未来を左右するだろう。
ファイルコイン(FIL) 2.57億ドル
あと少し!でHDACに記録を更新されてしまったファイルコイン(FIL)のICOは、2017年8月10日~9月8日にかけて実施された。 ICO時の価格が5ドル。だったのに対し、現在の価格は3.71ドル。DACなどの急下降と比べると全然マシなのだろうが、今年2月に20ドルの大台に乗った過去を振り返ると、運命の皮肉さに涙するしかない。
しかし8月にはプロトコルの重要項目の実装とテストを開始したほか、2019年中旬にはメインネットの立ち上げを予定しているので、すべて順調に進めば価格再高騰が期待できるかも知れない。
テゾス(XTZ) 2.32億ドル
2017年トップ5で唯一、現状結果を出しているテゾス(XTZ)。 7月1日から14日までのICOでは1XTZ0.47ドルで取り引きされていたが、今年6月のピーク時には5ドル台を記録。現在も1.22ドルをキープしている。
テゾスにとって痛手となったのは、ホワイトペーパーにろくすっぽ目を通さず、テゾスの趣旨を理解しないままICOに参加してしまった投資家による「詐欺疑惑」だろう。
しかし逆風に負けることなく、6月30日にはベータ版でプラットフォームを開始し、地道に軌道修正を図っている。
シリンラボ(SRN) 1.58億ドル
2017年12月12~26日に開催されたサイリンラボのICO。シリンラボ・トークン(SRN)は0.47ドルからスタートし、今年1月には3ドル台に乗ったものの、現在は0.077ドルへ落ち込んでいる。
SRNは、同社が11月にリリースを予定しているブロックチェーンスマホ「FINNEY」をバックアップするもの。ほかに「FUNNYPC」も開発している。価格再高騰はFUNNY製品の成功にかかっているだろう。
バンコール(BNT) 1.53億ドル
2017年6月12日のICOでは、開始後数時間で1.53億ドルを調達するという快挙を成し遂げた。バンコール・トークン(BNT)を用いて取引価格決定を自動化することで、市場の流動性をキープするという画期的なプロジェクトだ。
期待大ゆえにICO時の価格は3.92ドルと高めに設定されていたが、現在は半分以下の1.50ドルに下がっている。
個人的には長期的に期待してもいいプロジェクトだと思うし、同社のコミュニケーション部門ディレクター、ネイト・ヒンドマン氏もプロジェクトは着実に進展していると太鼓判を押している。
“Significant challenges remain, but at this very early stage, there are already clear benefits of trading transparency and automation (cryptonews.com).”
「重要な課題は残っているし極めて初期の段階にあるのだが、既に透明性と自動化を実現するメリットは明確になっている(クリプトニュース・コム)」
幾度となく発せられている警告だが、ICOに参加する時はホワイトペーパーをしっかり読むことだろう。
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